なぜ、技術士を取得した方が良いのか?

技術士になる

技術士を取得した方が良い理由

「技術士」とは、技術分野において最高位の専門知識と適用能力、豊富な実務経験をもつ技術者の称号ともいえる国家資格のことですよね。

しかしながら、難易度が高くて権威がある資格であるにもかかわらず、一般的な知名度の低さからか、取得する必要がないと思われがちな資格でもあります。

実際、技術士の資格を取得すると、たくさんのメリットがあるんです。

この記事では、技術士を取得した方が良い理由について、詳しくご説明させていただきたいと思います。

これは、技術士試験の受験動機にも繋がります。
口頭試験でも使えますよ。

企業での評価が良くなる

技術士の資格を取得すると、働いている企業内でのあなたの評価が良くなります。

それは、技術士は取得した本人だけではなく、あなたを雇用する企業にも大きなメリットがあるからなんです。

高度なスキルを持っている技術者を雇っているということは、外部や取引先からの企業への信頼につながり、企業のイメージがアップします。

企業としてもステイタスが高くなると、既存の業務以外の仕事の幅も大きく広がっていきます。

一定の部門に合格した技術士がいれば、企業は建設コンサルタントの登録も可能となり、業績を大きく伸ばせる可能性が高くなります。

また、分野にもよりますが公共事業の入札では、技術士を何人雇っているかが、評価の対象や条件になる場合があります。

雇用している技術士の人数が多ければ、その企業の公共工事評価が上がり、官公庁のビッグプロジェクトにも関わるチャンスが生まれ、公共工事の受注金額上限も上がるのです。

ですから、技術士の資格を人材活用の基準として評価している企業もあり、ビッグプロジェクトにかかわる部署や、先進の技術研究所などに、積極的に配置してくれる企業があります。

また、技術士の資格を博士と並ぶ最高位と位置付けて、その技術を高く評価してくれる企業も存在しています。

各業界での評価が良くなる

技術士の資格を取得すると、企業内での評価がよくなりますが、特に評価がよくなる業界もあるんです。

建設業界での評価

技術士資格は計21種の技術部門に分かれていますが、資格を保有している約半数の技術士が、建設部門などのゼネコン系の企業などで働いています。

建設業界は最も資格が多い業界であると言っても過言ではないくらいに、数多くの資格が存在します。

そのような建設系の資格の中でも、技術士の資格は最高峰の一つに位置していて、建設業界での評価は非常に高くなっています。

それは、建設業法に基づいて、公共工事の入札に参加する企業の経営事項審査項目の一つとして、技術士取得者数が評価されているからです。

とくに、国土交通省の入札では、技術士の資格が入札要件とされることも多く、技術士を雇用していることが建築業界内の企業の価値に直結します。

また、建設コンサルタントとして会社を登録する場合には、社内に技術士の存在が必要になります。

さらに、大掛かりな公共工事の場合には、計画段階から始め、工事計画の策定や設計、検証まで監理する技術者として、技術士の存在が欠かせないのです。

IT業界での評価

技術士の「情報工学部門」は、いわゆる「IT」を専門とする技術士です。

建設業界と同じように、IT業界にも驚くほど多くの資格が存在しています。

大まかに分類すると、IT業界の資格には、「国家資格」「ベンダー資格」「ベンダーニュートラル資格」の3つがあります。

必要最低限のIT知識を証明するレベルの資格から、専門性の高い知識が問われる資格までたくさんの資格がありますが、その中でも国家資格は13種類しかありません。

情報工学部門の技術士は、情報処理技術者試験ほどの知名度や人気がなく、IT資格としてはマニアックな部類に入ってしまいます。

しかし、政府情報システムの調達に係る入札要件の記載例には、技術士(情報工学部門または技術士総合技術監理部門)との記載があります。

情報処理技術者試験合格者などの、「技術士と同等の能力を有する者」でも、入札としての条件として可能なので、技術士であることは必須ではありません。

しかし、技術士としての資格が、IT業界の大手企業で高く評価されることは、間違いないのです。

また、一般社団法人情報処理学会が認定する上級情報処理技術者の資格である「認定情報技術者制度」の試験においては、技術士が受験する場合に、個人審査及び審査料の一部が免除されます。

技術士にとっても、うれしい評価になっていますよね。

公的な評価

技術士は、労働基準法で厚生労働大臣が定める「高度の専門的知識等」の基準を満たす資格の一つとされています。

そのために、技術士の資格を取得していることで、公的な評価が良くなります。

例えば、技術士の二次試験合格者は、弁理士・中小企業診断士・気象予報士・施工管理技士・消防設備士・労働安全コンサルタント・労働衛生コンサルタントなどの試験の一部科目などが免除されます。

対象技術部門を限定しているものや、技術士登録を必要とするものもありますが、スキルアップやキャリアアップを目指しているばあいには、バカにできない特権になっています。

また、公的な評価が良くなると、銀行などの金融機関で信頼度がアップして、ローンを組みやすくなります。

さらに、技術士などの国家資格を評価してくれる金融機関では、金利の優遇があったり、勤続が短くても審査が通ったりすることがあります。

マイホームやマイカーをローンで購入する際のほか、独立開業する際の資金の調達にも役立ちますよね。

技術士の昇進・昇格・昇給について

技術士の資格を取得していると、昇進・昇格・昇給が可能になります。

2005年以降、技術士の賃金は、賃金構造基本統計調査の調査対象職種として把握されていて、毎年発表されています。

厚生労働省が発表している「令和元年賃金構造基本統計調査」の職種別所定内給与額及び年間賞与額では、技術士の給与額は約44万円、年間賞与額は約140万円になっています。

残念ながら、医師や弁護士、公認会計士などの3大難関資格には及びません。

しかし、歯科医師の給与額は約45万円、年間賞与額約30万円、薬剤師の給与額は約40万円、年間賞与額は約84万円になっています。

一般的に「高給」と言われている職業と比較しても、給与の面でメリットがあります。

会社の社内規定や評価基準に、資格の保有に関しての項目が盛り込まれていない場合でも、技術士の資格をとることで昇給が可能になる場合が多いです。

さらに、国家資格は主観的に評価されることがないので、人物の能力をアピールすることのできる重要な要因となり、技術士の資格を資格を保有していることが、昇進や昇給にも有利に働きます。

転職や就職について

技術士の資格を保有しているということは、転職や就職においても有利に働きます。

「技術士」を名乗れることで、転職や就職を希望する企業に、自分の技術力の高さをアピールすることができます。

技術士の資格を持つ社員の数で大きな恩恵を受けられる、建築業界への転職や就職を希望する際には、とくに大きなメリットがあります。

さらに、現場での仕事ではなく、自分自身の能力を向上させるために研究をしたい場合や、後進の指導のために教鞭をとりたいと思った際にも、技術士の資格は効果を発揮します。

大学や大学院、等専門学校などの高等教育機関の教官や研究者の求人では、博士を取得していることを応募資格としている場合がありますが、技術士の資格も同等に扱われている事例もあるんです。

キャリア形成できる

技術士の資格を持っていると、活躍できるフィールドが広がります。

国や地方公共団体・企業などに所属して、高度な技術を活かせる業務を行うほか、技術コンサルタントとして活躍することができます。

技術コンサルタントの能力を身に付けられれば、独立開業することも現実的で、成功すれば、1,000万円を超える年収を得ることも十分に可能です。

さらに、大学等の教育機関や研究機関に所属して教育や研究を行うことも、専門家派遣等により活躍の場を海外にまで広げることもでき、可能性を無限大に広げられます。

人生100年時代などと言われていますが、定年後にも自分のペースで仕事ができるというメリットもあります。

会社には定年がありますが、資格には定年がないので、会社を定年後にも技術士の資格を活かして、自分のペースで社会的に活躍しながら、生き生きとした老後を過ごすことも可能です。

メンタルに良い影響がでる

技術士という資格を取得せきたということは、人からの評価を上げてくれる以上に、自分の自信や満足感をアップさせてくれます。

国家資格の取得は仕事や勉強を頑張ってきたという証明になり、その分野のプロフェッショナルであるという自信に繋がり、日々の業務にも張り合いが出てきます。

また、会社が倒産したときや転職したくなったときなどには、再就職に有利になる資格であることから、精神的な余裕も持つことができます。

技術士が活躍しているフィールドは、技術や情報が常にアップデートしていくので、それに対応することに、不安を感じる方もいるかと思います。

そんな不安を解消するためにも、技術士には「日本技術士会」という会があり、14,000人以上もの会員が所属しています。

そこでは、先輩技術士や他の技術士と交流できたり、専門技術部門ごとの情報交換をしたりすることができます。

他部門の会員と異業種交流を行うことも可能で、同じ資格を持ついろいろな会員の方々と繋がっているという安心感も増していきます。

膨大な実務経験のデータベースにアクセスすることや、会員同士でコミュニケーションをとることができるので、技術の研鑽と最新の情報を入手することが可能です。

まとめ

まとめ

残念ながら、「技術士の資格なんて取っても役に立たないのでは?」という声をよく聞きます。

そう言われる大きな理由が、技術士は名称独占資格だからです。

医師や弁護士のような資格を取得している人だけが業務を行える独占資格とは違い、資格を持っていなくても業務自体は行えることから、そんな風に言われてしまうのです。

また、知名度が低いことから、技術士が国家資格であることや技術士という名前自体を知らない人も多いことも原因になっています。

しかし、何の根拠もないうわさに惑わされて、資格取得を諦めてしまうことはもったいないことです。

生涯エンジニアとして活躍したいのならば、技術士という国家資格は、間違いなくあなたの大きな武器になるのです。

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