エンジニアのキャリア形成と技術士資格

技術士取得

1.低成長時代こそ技術士を取得する

我が国日本は、長年に渡り「給与収入が増えず、諸外国に取り残されている」、といわれています。
先進国と呼ばれる国々の中でも、比較的低いレベルに留まっており、為替変動の影響も相まって、海外で働いたほうが儲かる、という声も上がっています。

低迷している原因の一つに、古来の雇用形態があるようです。
終身雇用を前提としたメンバーシップ型の働き方は、高度経済成長期にはフィットしたものの、人材の流動性が損なわれ、企業側、従業員側双方に、職業選択の自由度が狭まっていると思います。
現況を打開するため、これからは欧米のような、ジョブ型雇用となっていくことが必須ではないか、と囁かれ始めています。
まさに就社ではなく就職、手に職を付けて、自分のスキルでお金を稼ぐ時代が、もうすぐそこに待っているかもしれません。
手に職を付けたその道のプロ、といえば、弁護士や司法書士のような士業が想起されますが、エンジニアにとって、プロフェッショナルとして自活していくには、どのような道が存在するのでしょうか。
本記事では「技術士」という資格を軸に、特に若い方々のキャリア形成について、ご紹介してまいります。

エンジニアのキャリア

2.雇用形態の変化

具体的な技術士の解説に入る前に、雇用形態の変化について、もう少し振り返っておきましょう。
日本は欧米諸国と比較すると、新卒一括採用、ある会社に一度就職すると、生涯同じところで働き続ける、という文化が通例となっています。
最近でこそ、転職という手段が当たり前になりつつありますが、定年以外で退職をすることは、極端にいえば、「同僚を裏切った」、「お世話になった会社に不義理な行いだ」、などという評価を受けることもあります。
年代が上だと、転職先が見つからないのも実情です。
また、働き手を守るという観点から、解雇において、かなり制限があることも、企業側にとっては足枷になっています。
「クビにできないから新しい人も雇えない」という理屈で、結果として新陳代謝が生まれず、稼ぐ力を失っている可能性もあります。

現状の行き詰まり

さすがに現行の形態では限界が来ており、ジョブ型への移行が叫ばれ始めています。ジョブ型は、海外の国が取り入れている手法であり、最初にジョブディスクリプションと呼ばれる、仕事内容を明確にした書面を取り交わしたうえで、雇用契約を締結します。
自分が従事する仕事が明記されているので、業務を開始する上で迷うこともなく、対価、報酬も決めやすくなります。一方で、契約以外の仕事は一切やらない、というドライな環境にもなり、ゼネラリストがほしい企業にとっては、採用が難しい方法かもしれません。
同型においては、雇用される側は、スキルアップが欠かせません。求められている業務を確実に履行し、パフォーマンスを発揮するためには、継続的に自己研鑽に励む必要があります。勉強して資格を取る、テストで高スコアを収める、といった証左も求められるところです。
ジョブ型は、年功序列といった理不尽な要素が入り込まないため、若い世代の方々に取っては好まれる雇用の形でしょう。メリットもデメリットもありますが、少なくとも我が国が変わっていくためには、必然的に対応していかなければならなくなりそうです。

3.エンジニアのキャリア形成

働き方が変わっていく中、エンジニアという職業においては、どのようなキャリア形成が考えられるでしょうか。
元々エンジニアは、どちらかというと手に職を付ける系の職業ではありますが、これからの時代、自分でキャリアを考えていくことが大切です。
昔であれば、いわゆる丁稚奉公、師匠の下に住み込みで働き、背中を見て仕事を覚えていく、という形もありました。
時には怒声を浴び、一方で家族の一員のように扱ってもらい、人として成長していく姿は、それはそれで当時の風潮に合ったやり方だったと思われます。
今でも、料理人の世界や角界では、伝統的な仕事の教え方が通例ですが、閉鎖的な空間であるが故、ブラック企業と化してしまったり、ハラスメントの巣窟となっているケースもあります。
古式ゆかしい手法すら、今後変化を余儀なくされていくことが予想されます。

エンジニアという職業としてのキャリアを考えていく上で、職種という視点では、ジョブ型に呼応しやすいといえるでしょう。いずれにせよ何らかの技術が求められ、そのための勉強や努力を重ねていくことが肝要となるからです。
一方で、自らの腕を証明するための社会的ツールとしては、「資格」があげられます。医師のように、そもそも免許がないと就けない職業もありますが、エンジニアの場合、それと並行して「箔を付ける」という意味合いの資格も存在しています。
人々の生活維持に欠かせないインフラ回りの知識や経験、ITに対応するための各企業でニーズがある情報技術といった、エンジニアとしての技量に加え、社会的地位をある程度証してくれる資格は、特に若い世代には、これからのキャリア形成に必須となりそうです。

4.技術士とは

次に、エンジニアにとって、汎用性のある資格とは何か、ご紹介してまいります。もちろん技術そのものは、会社に入ってから学ぶことも多々ありますし、その後の社内キャリアを形作るために、企業独自の資格取得が必要となることは、想像に難くありません。
しかし、先に述べたように、これからはある会社一社に依存するような時代ではありません。したがい資格においても、汎用的に使える、社会全体での効果があるようなものが望ましいといえます。

「技術士」は、文部科学省が管轄する国家資格です。国として定めた認定制度があり、受験資格の規定、試験の構成や仕組、その目的とするところを組成しています。日本国に在住している限り、どこでも通用する資格であることはおわかりいただけるかと思います。

技術士法

技術士は、技術士法という法律に準拠し、目的は「科学技術に関する技術的専門知識と、高等な専門的応用能力、及び豊富な実務経験を有し、公益を確保するため、高い技術者倫理を備えた、優れた技術者の育成を図るため」とされています。

さらなる特徴は、罰則まで定められた、責任感を伴う資格であることです。逆にいえば、その責務を全うする当該資格取得保持者は、社会的にも安心感、信頼感の得られる立場である、ともいえます。

また、一口に技術士といっても、その種類は「機械」や「農業」、「上下水道」、「建設」等、21の部門と多岐に渡っています。それぞれの専門家としての技量が求められるところですし、高難易度の資格であることは間違いありません。
偏差値の高い大学の工学部や理学部を出て、修士まで取得した人でもそう簡単に合格できない資格、それが「技術士」です。

試験制度も明確に定められており、二次まである試験に合格しなければ、資格取得には至りません。特に二次試験は難関といわれており、相当の努力をしなければ突破できないものとなっています。

このように、技術士は、たった三文字の中にも、「厳しい試験を突破した能力」、「罰則もある法的根拠に基づいた責任」、「高い技術力をもつ日本国家発展に寄与する人間」、といった要素が含まれています。エンジニアのキャリア形成において、取得するに値する資格です。

5.技術士資格取得のメリット

続いて、もう少し具体的に、技術士の資格を取得するメリットについて、ご説明してまいります。資格を取ることそのものが目的ではありませんが、少なくとも自身のキャリアアップに繋がること、より良い仕事に就ける可能性が高まることは間違いありません。

どの資格にも共通していえることですが、取得までの間に積み重ねてきた努力は、周囲の人に認められるところです。基本的にはかけた時間の分、相応の能力が備わっていると見なされます。自分に箔が付き、具体的な仕事の選択肢も増え、充実した職場環境が望めます。
技術士になるためには、最終的には公益社団法人への申請と登録が必要です。この手続きを通じて、同一または他の部門の技術士と、人的交流が図れることが、次のメリットにあげられます。
専門性が高いエンジニアでも、資格を通じて人脈を広げることが可能です。

少し観点は異なりますが、人間、何かしら目標が無いと、怠惰な生活を送ってしまいがちです。
技術士の資格を取得すること、また技術士として自分を律しながら仕事にあたることは、自己研鑽に繋がり、結果として人生の充実度を上げていくことに繋がりそうです。

上記の他にも、ある特定の分野では、個別のメリットが生じることもあります。例えば建築関係では、技術士が所属する法人は、公共事業の入札において、有利な条件が付されます。間接的にではありますが、建設業界での就職には、技術士の資格が有効に働きます。

資格自体の認知度が低い、法的責任や拘束力が強い、医師免許のような仕事を独占できる資格ではない、といったデメリットもあります。試験そのものが難関である、というのも、取得後の効果とは表裏の事実としてあげられます。

しかし、特定の企業に依存することなく、自分の持つ力でエンジニアとして活躍し、さらには他の有能な人とのネットワークが構築できる技術士という資格は、これからの時代を担う若い世代に方々に、打ってつけの資格といっても過言ではないでしょう。

技術士取得のメリット

6.資格試験合格のコツ

技術士が、今後のエンジニアとしてのキャリア形成に役立つことを解説してまいりました。一方で、試験が難関である、合格するのは至難の業、という点にも触れてきましたが、当該資格試験に合格するには、どのようなコツがあるのでしょうか。

合格率としては、一次試験は40から50%とされています。他の国家資格と比較すると、難しくはなさそうです。
その後、一定期間の実務経験を経て、二次試験を受験することが可能となりますが、こちらの合格率は8~12%と、一気に下がることになります。

一次試験では、技術士となるための社会的常識や素養、基礎知識、一程度の専門的学識を持っていることが試されます。法で規定されている事項を遵守できるかどうかも問われます。

二次試験では、専門的学識に加え、各部門での応用力、各領域における幅広い知識と、高度な専門技術を踏まえた豊富な経験、さらにそれらを基盤とした総合的な判断能力が求められます。聞くからに難易度が高く、合格するにはかなりの努力が必要とされそうです。

合同会社ワークシフトは、特に二次試験対策に重きを置き、技術士試験対策講座を提供しています。代表匠習作は、総合技術監理・機械部門における技術士の資格を保有し、資格取得を目指す皆様に、充実した内容をお届けしています。

実際の仕事、業務に従事し、学ぶことはもちろん重要であり、受験には実務経験が必須条件となっていることは前述のとおりです。しかしながら、試験という形態には、どうしても慣れやテクニックが必要であり、合格するための一つのコツでもあります。

資格を取得してみたいけれど、突破できるかどうか不安、という方は、ぜひ一度、弊社ウェブサイトをご参照ください。合格者の声も掲載していますので、参考になる情報が得られるかと思います。当該講座を受講し、共に技術士を目指していきましょう。

7.おわりに

いかがでしたでしょうか。本記事では、現在の日本の給与収入における問題点、増加しない原因の一つとしての雇用形態、欧米との比較における今後の変遷について、ご説明してまいりました。

また、将来的な備えとして、自身でのキャリア形成を考えていかなければならないこと、そのための勉強や資格についての重要性にも言及しました。さらにエンジニアにとって、技術士という資格が有効であることも解説しております。

若い世代のエンジニアにとって、好むと好まざるとにかかわらず、キャリアの形成は自身で行う時代がすぐそこに迫っています。就業中の企業の中で腕を磨くことと共に、資格という後ろ盾を取っておくことにより、何事にも強い自分が形作れることでしょう。

技術士の資格は確かに難しく、受験に躊躇してしまう方もいらっしゃるかと思います。それでも、仕事の選択肢を広げ、他者との交流も深めつつ、ひいては充実した人生を送れることに繋がる技術士は、取得するに値する資格です。

テクニカルな不安は、弊社講座を受講し払拭していただき、ぜひ技術士にチャレンジしてみてください。一度しかない人生です。生涯エンジニアとしての地位を確立し、悔いのない生き方ができるよう、当該資格取得を推奨致します。

技術士試験対策

関連記事