ワークシフトとは

<ワークシフト>で人生をゆたかに生きるには

ワークシフト

皆さんには、人生を変える「なにか」に出合ったことはありますか?

私はあります。
しかも、それは大それた人物との遭遇や人生で忘れられないような強烈な体験でもない、ただ1冊の本。

今も私の書斎に置いているその1冊が、私の「現在」を決める大きな指針となったのは、なんという偶然でしょうか。
それが、2012年に発売されたリンダ・グラッドン著「ワークシフト」です。

当時、家庭と会社とのバランスを取るのに苦心していた私が、この本を手にしたことで、その後の人生を大きく変化させるきっかけとなったのです。
まさに、この本が私のターニングポイント。

そこで、私が会社勤めから働き方を変えるべき起業するまでに至った話を、本の重要なエッセンスとともにご紹介していきたいと思います。

これから人生のかじ取りを検討しているすべての人に読んでいただければ幸いです。

2025年、私たちはどんなふうに働いているか?

この本との出合いは、前述した通り2012年の発売時。
書店で何気なく見かけた「ベストセラー」「増版中」の文字が目にとまったことでした。

この本を手に取ったのも、最初から大きな目的があった訳ではなく、ただ「ワークシフト」というタイトルに何か直感が働いた位のものでした。

帰宅途中の電車の中、表紙を開くとさっそくこの1文が目に入ってきました。

“2025年、私たちはどんなふうに働いているだろうか?”

この問いかけの1文で、一気に頭のスイッチが入ったのを感じました。
2025年末には63歳になっている自分。
そのとき、現在の会社で未来の自分がどんな役割を得て、どんな仕事に携わり、どんな充実感や収入を得ているのだろうかと想像してみたのです。
結果は散々たるものでした。
実際その頃の私は仕事に追われ、我が子とかかわる時間さえほとんどありませんでした。
そのためか、本を読み進めていけばいくほど、10数年後に確実に訪れる未来の「自分」は今の会社ではない、もっとちがう場所にいてもいいような、そんな気がしてきたのです。

「働く場所」「働く内容」「働いて得られる報酬」「働く意味や価値」等々、仕事にまつわることを変えることで、新しい人生を開拓する――― 果たして本当にそんなことができるのか?その時の私は、本を読みながら2025年の「未来の自分」を想像し、鼓動が高鳴るのを止められませんでした。

10年後、20年後、「働き方」はこう変わる

会社勤めをしていた時は、ひたすら組織の一員として会社に貢献するため、そして家族を養うために働いてきた私が、なぜ独立し起業できたのか?

特に無理をしたわけではありません。
ただ、この本によって近い将来訪れるであろう「未来の働き方」を知り、そして行動に移した結果、現在の私がいます。

今までがそうであったように、これからの10年20年で世界は大きく変わり、それに伴い「働き方」も変化するのは必然だと思います。
そこで、今これを読んでくださっている人にも、これからの未来の働き方のカギとなる<5つの要因>をシェアしたいと思います。

未来の働き方を知るための<5つの要因>

その①

テクロノジーの進化

これからもテクノロジーは飛躍的に発展していくことは明らか。それによってコンピューターのコストは急速に下がり、私たちはスマートフォンやPC一つで複雑なテクノロジーを活用できるようになります。
また都市圏だけでなく世界中のあらゆる地域がインターネットで結ばれるようになることで、全世界50億人がつながっていきます。

インターネット利用環境の拡充によって、ますます豊富な情報を得られるようになり、ITツールを使いこなして高い生産性を手にする人が増えていきます。

その②

グローバルの進展

グローバル化の流れが本格化しはじめた第二次世界大戦後以降、国際貿易制度が誕生し、モノやサービスのグローバル化が進んで、人々の消費の仕方は大きく様変わりしました。世界は一つに結びつきはじめ、特に中国やインドといった新興国とよばれる国々が存在感を増し、またこれらの国はサイエンスを武器に<新たな人材輩出大国>としても頭角を表していることも見逃せません。
一方、グローバル市場に求められる高度な専門技能をもたないことによって取り残された人々は、今後世界では下層階級となっていくという懸念も示されています。

その③

人口構成の変化と長寿化

社会の人口構成と仕事の世界の間には切っても切れない結びつきがあり、また世界的にも長寿化が進む中、今後1980年~1995年あたりに生まれた「Y世代」と呼ばれる人々の影響力が拡大することが予想されています。
パソコンやインターネット、ソーシャルメディアといったデジタル技術に囲まれながら成長したY世代は、他の世代よりもワークライフバランスを尊重する傾向があり、仕事にも面白さを求め、自分たちの希望やニーズを職場にも反映させていくことで大きな流れとなっていきます。

その④

社会の変化

テクノロジーの進化やグローバル化といった表面的な部分こそ変わっても、心理学者マズローが示した「人間の根本的な欲求」に関する性質は変わらず、進歩した世界に住む中で自分を見つめ直す人が増えたり、バランス重視の生き方を選ぶ人(特に男性)が増えたりすることが予想されています。
また家族のあり方も変化し、女性の力が強くなることで、異質なものに対する人々の寛容性も高まり、特にY世代はこうした社会的な変化の中で、さまざまな人とのコラボレーションを重視していきます。

その⑤

エネルギー・環境問題の深刻化

第一次産業革命以降、地球のエネルギー問題と環境問題は悪化し続けてきました。
今後、エネルギーと気候変動の問題が世界の最重要課題に浮上するのは避けられません。
エネルギー価格が上昇し、地球温暖化などの環境上の理由で今までの住まいを追われる人々も現れ、私たち人間はますますサスティナブルな(持続可能な)生き方を求めるようになっていきます。そのことは私たちの<未来の働き方>にも大いに影響を与えていくでしょう。

自分の未来予想図を主体的に描く

未来の働き方を考える上で重要な<5つの要因>を読んだとき、私は10年後20年後の自分自身のためにも、「今後は自ら人生をかじ取りしよう」という思いに急速に駆られたことに気づきました。
すべては、未来の自分と家族が、心から幸福感を感じながら生きるため。
漠然と今までの生活を続けるよりも、自分の未来予想図を主体的に築くことで、新たな人生を切り開くことにしたのです。

かくして、私はこの本の名をそのまま社名として使うこととしました。

『合同会社ワークシフト』

それは私にとっても、この会社を立ち上げることで働き方や生き方を<シフト>するという、文字通り“旗上げ”です。