技術士二次試験合格への勉強法 4つのステップ
技術士第二次試験は、たくさんの経験を積んだ技術者が受けていますが、
毎年の合格率はわずか10数%と、非常に難易度の高い試験です。
ですから、何の対策もせずに試験に臨んでも合格どころか、
太刀打ちすることもできません。
試験対策を頭に入れて、しっかり勉強してから試験に望むことが必要になります。
しかし、その勉強方法に関しても、間違った方法で行っている方が非常に多くなっているのです。
今回は、「技術士二次試験合格への勉強法 4つのステップ」についてご紹介していきたいと思います。
技術士一次試験の勉強方法とは
技術士一次試験に合格するためには、3つの科目についてまんべんなく勉強する必要があり、
必要な勉強時間は200時間以上と言われています。
具体的な一次試験の勉強方法としては、以下のような方法が一般的になります。
① 1冊の参考書を何周かして内容をインプットする。
② 演習問題を解く。
③ 過去問題を解く。
④ できなかった内容を参考書で復習する。
この流れで①と②を繰り返した後に、さらに②と③を繰り返してできない内容を潰していきます。
一次試験に合格するために特に重要なポイントとしては、過去問題を重点的に学習することが挙げられます。
それには、2つの理由があります。
理由① 本番形式に慣れるため
本番当日に「緊張して実力が出しきれない…」。そのような状況にならないように、本番形式に慣れておく必要があります。過去問題を数多く解くことで、時間配分や解く順番などの感覚が身に付きます。
理由② 過去問題の類似問題が出題されるため
一次試験は、出題形式や出題傾向が変わらないので、過去問題と非常に類似した問題が出題されます。過去問題を何度も解いておくことで、同様の問題が出た際に対応できるようになり、合格率を引き上げることができます。
技術士二次試験の勉強方法とは
技術士二次試験を受験するためには、一次試験に合格する必要があります。
ですから、意識的にしろ無意識にしろ、成功体験を味わった一次試験合格時の勉強方法が身に付いてしまっています。
ですから、多くの人が一次試験と同じ勉強方法をした上で二次試験に挑戦して、不合格になってしまうのです。
一次試験のように過去問題をひたすら解いても、二次試験では合格することはできません。
過去問題を重点的に学習して合格できるのは、暗記で合格できる資格試験に限定されるからです。
論文試験は暗記では太刀打ちできないので、このような勉強方法で合格することは難しくなってきます。
残念ながら、この勉強方法の違いに気付けない人は、いつまでたっても合格することができないのです。
間違った学習方法とは
二次試験に合格できない人は、以下のような勉強方法をしている場合が多いようです。
(1) 過去問題で対策をする
技術士の二次試験には解答例はありますが、模範解答はありません。その理由は、社会情勢や環境の変化により、合格判定基準が年々変化するからです。ですから、過去問題で覚えた解答例をそのまま記述しても、不合格になることがよくあります。
(2) 予想問題で対策をする
技術士二次試験の出題パターンは、多岐に渡ります。しかも、求める解答によって、出題の形式も全く違ってきます。「解決策を示せ」と「対応策を示せ」では、解答の仕方がまったく違ってきます。予想問題ではそこまで正確には的中させられないので、予想問題で受験対策をしても不合格になってしまいます。
(3) 暗記する
上記の内容からもわかるように、技術士の二次試験の合格判定は、毎年変化します。そのため、過去の解答内容を暗記しても、合格することはできません。また、情報や知識をピンポイントに暗記しても、活用方法が分からないと合格に結び付く解答を作成することができません。
技術士二次試験合格への4つのステップ
では、技術士二次試験に合格するためには、どんな勉強方法が必要なのでしょうか。
それには、次のような4つのステップがあります。
知る⇒理解する⇒できる⇒いつでも出来る
具体的なイメージが湧きにくいかと思いますので、まずは「プロの料理」を思い浮かべてみてください。
料理をするためには、たくさんの知識や技術が必要となります。
調理方法にもたくさんの種類があり、料理を完成させるためには、さまざまな工程を踏むことになります。
さらに、身に付けた知識や技能を活かして、オリジナルの料理に発展させていくことも可能です。
料理を作る手順を、「知る⇒理解する⇒できる⇒いつでも出来る」の4つのステップに落とし込んでいきます。
① 調味料の種類や調理器具の名前について「知る」
② 調理方法の必要性や理論を「理解する」
③ 調理することが「できる」
④ 美味しい料理を作ることが「いつでも出来る」
プロとしてお客様に料理を提供できるようになるには、「知る⇒理解する⇒できる」の工程まででは不十分になります。
「いつでもどこでも美味しい料理を作れる」の段階にまで達することが、
ミッションのクリア(合格)には必要不可欠になります。
では、各ステップについて、さらに詳しく見ていきましょう。
ステップ① 知る
最初のステップは、「知る」になります。
「知る」ということは、物事を認識したり把握したりすることです。覚えたり記憶したりすることも、知るステップの中に含まれます。
簡単に言うと、知るとは、情報や知識を単に頭の中に入れる、インプットするだけのことになります。
インプットするだけと言っても、情報や知識などの基礎がしっかりしていなければ、
その後の段階に進むことも難しくなります。知識の土台が固まっていないと、その上にはしっかりとした建物を築くことができません。
知ることに必要なインプットに最適な方法としては、以下のような方法があります。
(1)繰り返すこと
脳は1回だけの学習で情報を蓄えることはできず、さらにすぐに忘れてしまいます。
何度も繰り返し学習することによって、情報が定着されます。
(2)毎日コツコツと
沢山の情報を一気に詰め込むと容量オーバーになり、記憶の混乱のもとになります。
記憶を整理しながら定着させるためにも、毎日コツコツと学習することが大切になります。
(2)アウトプットを意識すること
知識はインプットよりもアウトプットによって、脳によりよく定着します。
必要な時に取り出せるように、普段の学習時にはアウトプットを意識するようにしましょう。
ステップ② 理解する
次のステップは、「理解する」になります。
ステップ①の「知る」ということは、単に情報や知識を頭の中に入れるだけでした。
しかし、その入れた情報や知識を本当に自分のものにするには、理解することが必要になります。
理解するとは、物事の道理や筋道が正しくわかることであり、対象として与えられたものについて、
そこに含まれている内的な意味や本質までを把握することになります。
知ることで得た情報や理解に対して、疑問や問題意識を持って向き合い、
なぜそうなっているのか」「なぜそうなるのか」がはっきりできるまで、考えたり調べたりしましょう。
理解できているかを判断するために、最適な方法があります。それは、人に説明するという方法です。
自分の言葉で人に説明して、その人に「わかってもらえる」。この段階にまで達することができれば、このステップは完了です。
ステップ③ できる
ステップ①の「知る」とステップ②の「理解する」は、「わかる」ということでもあります。
この「わかる」と「できる」は、同等のものとして考えられがちですが、実は全く違ったものになります。
「わかる」とはインプットが成功した結果のことであって、「できる」はアウトプットができるようになっている状態のことをいいます。
基本的に何かを習得するときは、「わかる」を経てから「できる」に辿りつくことになります。
資格試験の勉強に当てはめてみると、問題を解くための情報や知識をしっかりと身に付けられたことが、「わかる」。
そして、そのわかったものをアウトプットして問題を解けることが、「できる」になります。
この「できる」状態になるためには、「わかる」で得た知識を活用しながら、過去の事例を参考にし、
自分なりに試行錯誤してできるまでやり続けることが必要になります。
どんなに優れたやり方であっても、それをそっくりそのまま真似れば、
必ずできるようになるというものではないのです。
ステップ④ いつでも出来る
この「いつでも出来る」という状態は、下記のような状態のことを言います。
・試験本番の緊張感の中でも解答できる
・時間制限の中でも解答できる
具体的には、模擬試験などの限りなく本番に近い状況で、合格基準に達することが目標です。
しかし、この合格基準ですが、合格点の10%増しで設定するようにしましょう。
本番の試験では、模擬試験と比べられない位の緊張感に包まれます。
その緊張の中でも、「パフォーマンスが10%下がったとしても合格できる」という安心感があれば、それが精神的な安定を引き出します。
そして、本番でも100%の力を発揮することができるのです。
このステップ④の「いつでも出来る」にまで達することができれば、
技術士二次試験の合格が見えてきたと言っても過言ではないのです。
まとめ
技術士二次試験の勉強方法は、今までの学習方法とまったく違っているので、
気持ちを切り替えて勉強方法を正しい方向にシフトしないと、合格は難しくなってきます。
今回ご紹介してきた学習方法に関しても、割とステップ②やステップ③で満足してしまう方が多いものです。
Lock-On:二次試験講座では、ステップ④まで到達するために、チャットワークを使った、無制限の質問ができるようになっています。
我田引水になりますが、思ったような成果を出せずに、自分自身の学習方法に不安や疑問をお持ちの方は、
早めにLock-On:二次試験講座通信講座の受講に切り替えることをおすすめします。