【筆記試験対策】技術士二次試験に有効な技法 ~PREP法のご紹介~

相手に伝わる文章を書くためのテクニック

1.はじめに

技術士として社会での活躍を目指す方々にとって、資格を取得することは、最初に突破するべき関門です。しかしながらその道のりは決して容易いものではなく、特に二次試験は、問題構成や解答の仕方などからかなりの難関となる旨、別記事でも再三にわたり紹介してまいりました。

合格率が約10%の同試験が難しいのは、主に記述式の設問にて占められているからです。それでは実際、どのような対策を行えばよいのでしょうか。今回は、相手に伝わる文章を書くためのテクニックの一つである「PREP法」について解説します。

自身で考え、頭の中で確固たる解を組み立てても、それをわかりやすく表現できなければ、残念ながら試験では評価されません。技法の一つでしかありませんが、まずは本記事をご参照いただき、技術士二次試験への合格の一助としていただければ幸いです。

2.結論「PREP法は有意義な伝達方法」

結論から申し上げますと、PREP法は、物事を他の人に伝える上で、非常に有意義な方法です。結論から始まり、理由、事例や具体例、再度結論、と順番に述べていくことによって、聞き手、読み手に対し、内容を明確に示すことができます。

P=Point(結論)

R=Reason(理由)

E=Example(事例や具体例)

P=Point(再度結論)

「PREP」の頭文字各々意味としては上記となります。世の中には他にも同様の手法が溢れており、さまざまな形態がありますが、同法は比較的有名です。それだけいろいろな人に役立つものであり、使われてきた実用的なテクニックであることの証左でしょう。

3.理由「PREP法のメリット」

なぜPREP法は意義があるといえるのでしょうか。主な理由としては、やはり「わかりやすい」点にあります。何しろ最初に結論を明示しますので、受け手にとっては相手のいいたいことがすぐに理解できますし、無駄に冗長的にならずに済みます。

端的に物事を表していきますので、余計な情報が入ることなく、最後まで読んだが何がいいたいのか不明瞭、といった事態を防げます。話の流れもスムーズになり、コンパクトな分量で説得力のある文章構成が可能です。

また、最初に結論、最後にもう一度結論を述べますので、相手方に自分が何をいいたいのかリマインドすることができます。相手方にて、理由や具体事例を聞いたり読んだりする間に、理解が不明確になったとしても、再度主張を刷り込むことが可能です。

さらに、試験という観点では、一つの技法を習得しておくことにより、心に余裕をもって問題に対峙できるという利点があります。PREP法を適用すれば、記述式への解答に悩むことなく短時間で対応できるのです。結果として合格への確度向上に繋がる、というわけです。

4.事例「PREP法の具体例」

PREP法とは何か、どうして有効なツールなのか、確認してまいりました。次に、同法への理解を深耕するために、具体的な事例をご紹介します。せっかくですので「技術士について自身の考えるところを述べよ」という例題が出た際を考えてみます。

(1)結論

技術士という資格は有用であり、今後のキャリアアップや将来の仕事にも役立つ。社会的信頼も得られ、結果として人生を豊かにしてくれる、取得に値するものである。

(2)理由

技術士は文部科学省が管轄する国家資格であり、公的に認められた、自身の能力を示す証明書である。仕事の選択幅も広がり、磨いた手腕を発揮できる可能性が高まる。

(3)事例や具体例

例えば建設部門の技術士資格保持者は、高度な専門知識を要する一般企業の研究職などに就いている。

独立系では、発展途上国での技術指導、裁判所や損保会社の調査業務、学校の総合学習講師や地域防災活動など、多様な形で技術に関係する仕事を行っている。

(4)再度結論

上記理由により、また事例として挙げた事項から、技術士は非常に有意義な資格であるといえる。今後のキャリア形成、充実した仕事への一つの礎となると考える。

以上、(1)から(4)について、あえて短い文章にて解答例を記載してみました。実際書き手にとっても、構成が決められた中で執筆できますので、迷いも少ないですし、読む方にとってはシンプルで理解し易い内容となるかと思われますがいかがでしょうか。

留意すべき点としては、各段落において、可能な限り要素が交わらないようにすることです。最初に結論を明示するのですが、理由まで同一箇所で記載してしまいたくなります。なぜその結論が導かれたのか、早くそのわけを伝えたいという思いが溢れ出るところです。

上記例文でも、豊かな人生が、技術士の資格が有用である理由として捉えられることもあるでしょう。厳密な区分けは難しいかもしれませんが、後述する方法をもって繰り返し練習することによって習熟度が高まり、よりわかりやすい文章を書くことができるようになります。

なお、PREP法は、文章やビジネス上のプレゼンのみならず、普段の会話でも使えるテクニックです。本来聞かれたことに、逃げずに直接的に回答すべきところ、つい言い訳から入ってしまうことがあります。以下、皆様も身に覚えがあるケースではないでしょうか。

講師 「○○くん、この間の講義を踏まえた課題は完遂できたのかね」

生徒 「課題なのですが、急に忙しくなってしまって」

講師 「どういうことか」

生徒 「アルバイト先の同僚が体調不良で休んでしまって、店長から急遽シフトに入ってくれといわれてしまい、この間自分も休んだので何だか申し訳なくて」

講師 「君のアルバイトの話はよくわからないが、結局課題はどうなったんだ」

生徒 「申し訳ありません、まだできておりません」

講師 「最初に聞かれたことに答えてくれ」

講師からすれば、要するに課題ができているのかいないのかを最初に聞きたかったのですが、生徒としては、間延びした話しぶりで理由を説明してしまっています。PREP法を用いた会話としては、下記のような形になりますが、生徒の印象はかなり変わります。

講師 「○○くん、この間の講義を踏まえた課題は完遂できたのかね」

生徒 「(結論)申し訳ありません、まだ完了しておりません」

講師 「どういうことか」

生徒 「(理由)アルバイトの都合上、時間を取ることができませんでした」

講師 「アルバイトは関係あるのか」

生徒 「(具体例)同僚が急遽体調不良により欠勤となり、店長より代行を依頼されました。自分も以前、同様に代わっていただいたことがあり、今回は依頼を受けました」

講師 「では課題はどうする」

生徒 「(再度結論)申し訳ありません、現時点では3分の2の出来となり完了しておりません。残りはこの週末に対応します」

5.補足「PREP法のデメリット」

何事にもメリットがあればその反面デメリットもあるものですが、PREP法も例に漏れません。内容に説得力を持たせ、少ない分量でも相手に伝えたいことを明示できる、という長所はあれど、使い慣れるまでに、相応の時間を要するという短所もあります。

人間は感情の生き物ですので、前述の具体例にある通り、どうしても気持ちが優先してしまいます。もちろん自己の主張を、意志をもってしっかり伝達していくことは重要ですが、かといって情動的な部分が先走り過ぎてしまうと、結果として伝わらないことになります。

また、ロジカルに、淡々と文章を組み立てていく方法ですので、長文には不向きともいわれています。何しろ短文で、受け側に物事をわかってもらえてしまうので、長い文にはなり得ません。何千字以上など、文字数に下限条件がある場合、同法の活用は少々苦しいかもしれません。

そして、小説や随筆、エッセイなど、情緒的な作品創作には向いていないという特徴もあります。相手の感情に訴えかけるには、PREP法は少々ドライな印象を与えてしまうでしょう。もちろん、試験における課題への解答には、使用に際し障壁はありません。

6.参考「PREP法の練習方法」

PREP法がさまざまな場面で使えそう、というイメージを持っていただけたかと思いますが、それではこのツールを自分のものとし、試験などに活かせるようになるには、どのような練習方法があるのでしょうか。

留意すべき点としては、まずは同法の構成に、過剰なまでに気を使いながら、その制約の中で書いてみることです。習熟が浅い段階では、自由度が低く筆が進まないこともあります。それでもあえて、各項目の順番を意識し、文章を組成していくことが大切です。

特に最初に結論を述べるポイントは、必ず押さえるようにしましょう。日本人的国民性からすると、苦手な方も多いかもしれませんが、自分が伝えたいことを一番目に記載することが、PREP法の一丁目一番地となります。

当該テクニックは、一般的に慣れるまで時間がかかるといわれていますが、程度の差こそあれ、万事練習が必要です。自身で判断がつかなければ、成果物を他の知見のある方に見てもらうというのも、効果的な手段でしょう。

7.(再度の結論)「PREP法は技術士試験に有効」

以上のように、PREPという順番に即した文章構成は、聞き手や読み手に伝えたいことを伝えるための有益な技法です。加えて、論理的かつ説得力を増加させる効果は、記述式試験問題への解答作成において、非常に有効といえます。

元々難しいとされる技術士二次試験を挑むにあたり、使えるものは使ったほうが、合格する可能性が高まります。手法に頼り過ぎるのも危険ですが、記述式が不得意という方、精度をさらに高めたいという受験生の方には、試行してみていただきたい方法です。

8.おわりに

いかがでしたでしょうか。本記事では、PREP法について解説してまいりました。あえて明示したのでお気付きの方もいらっしゃるかと思いますが、本稿そのものも同法を用いて構成しています。

実際の効果については、読者の皆様それぞれで異なるかもしれませんが、PREP法が得意とするところが、この記事でどのように表れているか、逆に不得手な個所が出てしまっているか、試験の採点者視点からご自身の目で確かめてみてください。

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