技術士試験重要キーワード解説:製造業系

製造業系キーワード

技術士試験重要キーワード解説:製造業系

フィージビリティースタディー(実行可能性調査)

フイージビリテイースタディーとは新製品や新サービス、新制度に関する実行可能性や実現可能性を検証する作業のことです。
例えばあるメーカーが新商品の発売を検討する場合、意思決定を行う前段階において、市場性や採算性をはじめ、社内のオペレーション体制を調査します。
また、資金の確保、法的規制など、多角的な視点で調査・分析し、その実現可能性も調査が必要です。
上記は社外環境の調査です。
このほかに、製品を作る前に製造可能かどうかを確認する製造モデルを作成する。
また損益が大丈夫か、リスクアセスメントについて問題がないかも検証を行う。
設計に入る前段階の準備としてもっとも重要な作業と考えられています。

環境配慮設計(DfE)

環境負荷低減は私たちが生活を持続的に行ううえで重要なアイテムとなっています。
環境配慮設計とは、「製品のライフサイクル全般にわたって、環境への影響を考慮した設計」のことを言い、DfE(Design for Environment)、環境適合設計、エコ・デザインなどと呼ばれることもあります。
製品設計を行う場合にも、省エネであること、リサイクルが行えること、製造段階においても廃棄物を出さないことなどが要求されます。
製品設計段階で機能やコストだけでなく環境を配慮した製品設計を行う必要があります。
ライフサイクルアセスメント(LCA)|こよる評価手法なども適用されています。

デジタルエンジエアリング

製造の競争力をつけるために最近ではITを使った製造・設計が主流となってきています。
デジタルエンジニアリングとは、ものづくり製造業において、3DCADをはじめとしたCAEやCAM、3Dプリンタ、3Dスキャナなどの3D技術の活用から始まりました。
DX、IoTやAI、VR、ロボットなどの最新技術を組み合わせて設計や生産を行うことを言い、これらを行う技術者をデジタルエンジニアと呼んでいます。
設計においては3次元CADが使われるようになり、試作などを行う前にモデリング上で干渉のチェックや組み立て性を検証し、デザインレビューにも用いられています。

また構造上の問題がないかをCAEなどの解析ッールを用いて事前に検証することができます。
製造部品などの情報はPDMを通してリアルタイムに情報を送れるため、部品購買の時間短縮、また営業情報などにも利用でき、事前に販売活動を行うこともある程度出来るようになっています。
IT技術の進歩が著しい昨今においてはデジタルエンジエアリングをどう活用していくかが競争を優位に進めるために重要なポイントとなっている。

ナレッジマネジメント

ビジネスの日的を達成するために、知的資産を共有し、効果的に活用するための「知の管理手法」です。
ナレッジマネジメントとは、社員たちが業務を行う中で得た知識=ナレッジを、会社の全体で共有し生かすという経営手法の一つです。
会社全体で経験や知識を共有することにより、
○ 新規事業の開発・改善
○ 教育プログラムの効率化
○ 生産性の向上
などを属人的でない形で実行できるようになります。
すると、会社をより良くする施策の効果が高まりやすくなるのです。
組織活動の中で得た知識を一元管理し、構成員相互の情報交換をしやすくする手法全般、言葉や文章で表現しにくいノウハウやスキル(暗黙知)も含まれます。
団塊の世代の退職(10~15年前)の頃から技術の伝承問題がクローズアップされてきました。
経験不足による誤った判断などによるトラブルも発生しているため、伝承がスムーズに行えるように、知識の文書化などのナレッジマネジメントも行われています。

品質管理手法

品質を向上させるための手法として代表的なものにFMEA、FTAがあります。
FMEAとは製品を構成している部品の故障モードを分析し、製品に対してどのような影響が出るかを分析する方法です。
FTAは問題となる事象が起こる確率を分析する方法です。
影響度の高いものがあれば、冗長系を持たせるなどの方策によリリスクを低減することが可能となります。
ただし、どちらかと言うと、FTAは不具合が発生したときの原因分析に使われることが多いと思います。
一般的に、「品質管理」とは、製品を生産したりサービスを構築したりする際に、一定の品質を備えていることを検査・検証し、保証することを指します。
加えて品質管理では、品質の高い製品やサービスを、どれだけ効率的にコストをかけず製造・構築するかといった視点も必要です。
前述したFMEAやFTAは、設計段階で行う、品質管理の手法ですがm、製造現場ではQC7つ道具が知られています。

コンカレントエンジニアリング

設計から製造までの業務に加えて、資材・経理・営業に至る業務を同時並行的に処理することで、開発期間の短縮やコストダウンなどを実現する手法です。
生産活動の下流で発生するクレームを設計段階から把握できるため、コストの浪費や無駄時間の増大を避けることができます。
従来は設計を終えた後に生産技術へバトンを渡していたのに対し、コンカレントエンジニアリングでは設計段階から生産技術部門・製造部門などと共同で、同時に開発を進めていきます。
コンカレントエンジニアリングの導入によって「納期」の短縮が可能となり、工数が削減されれば「コスト」(人件費)の面でもメリットをもたらします。
しかし、ルールを整えた上で導入しなければ、開発が遅れる事態にも陥ります。
各部門が同時進行で開発を進めるコンカレントエンジニアリングにおいては、部門間の密な連携が欠かせません。
コミュニケーションが、上手く機能していない組織ではコンカレントエンジニアリングは、失敗します。

シーケンス制御

シーケンス制御はあらかじめ定められた順序または手続きにしたがって制御の各段階を逐次進めていく制御のことです。
「シーケンス制御」と言う言葉そのものは、「あらかじめ定められた順序または手続きに従って制御の各段階を逐次進めていく制御」。と日本工業規格(JIS)の旧規格 C0401 に定義されています。
しかし、これではよく分らないです。
リレーシーケンス技術とマイクロコンピュータ(マイコン)技術が融合したものと言って良いと思います。
最近では家電製品、エレベーター、工場の産業用ロボットなどさまざまな装置や設備に利用されています。
PLC(プログラマブルロジックコントローラ)の出現により、処理速度や機能が格段に進歩しています。
60~30年前は、有接点シーケンス、リレーシーケンスとも呼ばれ、電磁リレーをスイッチとして利用し制御する方式が主流でした。
現在は、シーケンス制御専用のマイクロコンピュータを利用した制御装置を「プログラマブルロジックコントローラ(Programmable Logic Controller 、略称PLC)」または「シーケンサー」(三菱電機の商品名であるが他社製品に対しても通称として使われる場合がある)といいます。
これはパソコンや専用の入力機器を利用して、制御内容をあらかじめプログラムによって表現し、これを逐次実行することによりシーケンス制御を行う装置です。

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