業務の詳細は準備できましたか?

まもなく技術士二次試験受験申込書の提出時期になります

令和3年から詳細の書き方に関する説明が変わりました。
令和4年も、また変わるかもしれません。
しかし、その可能性は低いです。
いずれにしても、令和4年の申込み案内がダウンロードできるようになったら、必ず確認してください。
令和3年の申込書案内には、31ページに

業務経歴の「詳細」欄に○を付したものについて、業務内容の詳細(「目的」、「立場と役割」、「技術的内容及び課題」、「技術的成果」など)を、720字以内(図表は不可。半角文字も1字とする。)で、簡潔にわかりやすく整理して枠内に記入する。

上記の通り書いてあります。
ですから、項目は

【目的】
【立場と役割】
【技術的内容と課題】
【解決策】
【成果】

また、纏めるときは
目的⇒課題⇒その理由

上記の関係を良く考えて下さい。
私は全体の流れを以下のように記入することをお薦めします。

【業務の目的】これがゴールつまり成果になります。
【立場と役割】これはそのままどんな立場でどんな役割なのか?
【業務の課題】障害物、解決すべき事項です、これを明確にしないと解決策が伝わりません。
【解決策】課題をどんな考えで解決したのかを書いて下さい。文章量はここが一番長くなります。
【成果】業務の目的が達成されたことを書いて下さい。

ここまでは、基本です。
以下、Lock-On:二次試験講座の講師陣が皆さんのために、受験申込書作成時の注意点をご説明します。

業務経歴と業務詳細経歴書  みなさんは口頭試験を想定して書いていますか?

この記事は、技術士試験の受験を考えている方に書きました。
冒頭の業務経歴と業務詳細経歴書は、正式には技術士第二次試験受験申込書・実務経験証明書(以下業務経歴書)といいます。技術士試験を除く、多くの国家試験の受験申込書は、住所氏名や試験科目などの必要事項を正確に記入し、受験料を支払えば受験手続きは完了します。しかし技術士試験の受験申込では、必要事項を正確に記入した後、業務経歴書をじっくりと吟味する必要があります。その理由は、筆記試験合格後に実施される口頭試験時の試験委員の手控え資料となる重要書類だからです。

1. 技術士試験の業務経歴とは
業務経歴書は、技術士第二次試験の受験資格有無の判断材料であり、また技術士としてふさわしい技術業務の経歴を積んでいるか、さらに詳細経歴書に記述した技術課題の設定とその解決までの論理的思考プロセスの適格性の確認資料になります。筆記試験の成績とともに業務経歴内容をもって、口頭試験で厳格に技術士の適格性が考査されます。

2. 技術士法第二条定義の重要性を知っていますか
業務経歴と聞くと、時系列で経験した業務を羅列することをイメージすると思います。体裁はその通りですが、記述には重要ポイントがあります。それは、技術士法第二条技術士の定義に沿って、記述することです。これから受験する方は、まだ技術士ではないけれど、技術士の立場で経歴を記述する必要があるということです。
定義の重要部分の一部抜粋しますと、「技術士とは、科学技術に関する高等の専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価又はこれらに関する指導の業務」とあります。定義に沿い、業務経歴書を書く必要があります。

3. 詳細経歴書は、単なる詳細な経歴を記したものではないことを知りましょう
詳細経歴書は、業務経歴を詳細に記述することではありません。時系列に沿って業務経験を技術士法定義に沿い5つ記述します。その一つを選び、業務概要(目的)・立場役割・課題(問題点含む)・課題解決策(提案)・成果などの項目について、そのプロセスを論理的に記述します。課題設定とその理由、技術的提案とその理由は、技術的思考の骨格であり、このプロセスの表現次第で口頭試験の成否が決まるといっても過言ではありません。

ロックオン二次試験対策講座 客員講師 日比幸人
日比講師

Lock-On:業務経歴と業務の詳細ー技術士口頭試験を想定しているか?

業務経歴と業務の詳細は、技術士2次試験の受験の最初の関門であり、7月の試験本番4か月前の予備試験とも呼べるものです。

業務経歴と業務の詳細について、その内容をすぐに評価されることはなく、筆記試験に合格後の口頭試験の際、試験委員が口頭試問の材料として使うものです。口頭試験の実施は年末年始時期のため、作成から活用まで半年ほどの時間差があります。その間の受験勉強や本番の試験、試験の振り返りなど、多くのプロセスがあるため、受験申込時に作成した内容を忘れてしまうこともあるかもしれません。

もちろん忘れたとしても見直せばよいのですが、改めて自分が書いた内容を読んで多くの問題点に気づくこともあります。例えば、口頭試験で試問されるコンピテンシーへの記述や関連がみられない場合があります。専門技術による課題解決について詳細に書かれた業務の詳細がよくみられます。その内容が専門性からも論理性からも正しいものであっても、コンピテンシーへの言及が薄いと評価が低くなる可能性もあります。また口頭試験で厳しく質問されることもあるかもしれません。

口頭試験での試問内容は受験申込書に記載されていますので、それをよく確認し、実際に書き起こして添削を受けることが重要です。3月は受験申込書作成の仕上げの期間になりますので、講師と相談の上、内容のブラッシュアップを進めてまいりましょう。

農業部門講師:土屋 和
土屋講師

業務経歴と業務の詳細ー技術士口頭試験を想定しているか?

1. 業務経歴と業務の詳細の位置づけ
業務経歴は、単なる受験資格があるか否かを判定する一般的な資格試験で提出する願書とは異なります。皆さんが技術士にふさわしいかどうかを判定するための資料として使用されるのです。
技術士にふさわしいとはなにか?それは技術士制度のことを知る必要があります。令和3年度技術士二次試験受験申込み案内の「はじめに」は下記の記載があります。
「この資格を取得した者は、科学技術に関する高度な知識と専門的応用能力と高い技術者倫理を備えていることを国によって認定されたことになります。」
これは、技術士法第1条と2条の要約になります。認定してもらうためには、「受験申込書」と「筆記試験」「口頭試験」では、しっかりと技術士法の第1条と2条を踏まえた回答ができることが重要なのです。
つまり、提出する「受験申込書」は皆さんを「技術士」として認定するための重要な資料なのです。
では、「受験申込書」はどこで使用されるのか?

2. 口頭試験で使用される受験申込書
令和4年度技術士第二次試験実施大綱には、「技術士としての適格性を判定することに主眼をおき、(中略)業務経歴を踏まえ実施する」とあります。つまり、試験官は受験申込書にある「業務経歴」「業務詳細」を口頭試験前に読み、適格性をはかるための試問事項を検討します。
この適格性とは、口頭試験の試問事項例にある「実務能力」「適格性」であり、業務経歴と業務詳細にそのような記載がなければ、当然厳しい口頭試験が待っていることがわかります。
ここでいう「実務能力」「適格性」がわかる記載とは、「科学技術に関する専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価(補助的業務を除く。)又はこれらに関する指導の業務」であること、公益を確保するため、高い技術者倫理を備えたことがわかる「国民経済の発展と科学技術の向上に資すること」が示されていることです。これを業務経歴5つと業務詳細の720文字で示さなければなりません。せっかく最難関の筆記試験を合格しても、受験申込書の時点で「不適格」と判断されるような記載をすると、口頭試験はいばらの道を歩むことを理解してしっかり準備してください。

以上
機械部門講師 赤星 宏一
赤星講師

業務経歴と業務の詳細-技術士口頭試験を想定しているか?

1. 業務経歴
経歴を書くなんて、多分入社試験以来だという方がほとんどだと思います。なぜこの試験には経歴が必要なのでしょうか?それは、技術士試験は「人」を見る試験だからです。「人が持つ技術」を見る試験ではありません。この人に業務を任せていいのだろうか?リーダーの資質はあるのだろうか?という点を見る試験だからです。ならば、業務経歴に書く内容は決まってきます。①自分の生業、②自分の成長、③そして組織の成長、この3つが時間の経過とともに広がっていることを表現することが必要になってきます。何をやったのかではありません。そしてこれは口頭試験で複数の試験官によって確認されます。

2. 業務詳細の意味
問題解決、課題遂行が出来る技術者であることを720文字で証明します。そのためには、「問題の抽出」「問題分析」「課題の設定」「ボトルネックの発見」「解決」「成果」といった流れで事象を捉えると分りやすくなります。そしてこれは筆記試験で問われる内容そのものです。それをご自身の経験をテーマにして文章化します。まさに筆記試験への導入部分です。しかし、なぜこういった問題解決、課題遂行が出来るのか、口頭試験の試験官は思いますよね。それは、1項で書いたご自身の経歴があれば、「なるほど」と試験官を納得させられます。やっと1項の経歴とつながってきます。
業務経歴と業務の詳細、これは口頭試験の入り口です。

霜山
霜山講師

関連記事