令和8年、明けましておめでとうございます。 技術士試験 建設部門の合格を目指す皆様、輝かしい新春をどのような思いでお迎えでしょうか。
家族と過ごす穏やかな元旦の朝、あるいは静かに初詣に向かう道すがら、心の中には今年こそ必ず成し遂げるという、熱く、静かな決意の炎が灯っていることと存じます。
令和8年度の筆記試験は、夏の「海の日」。 今日、1月1日から数えて、残り約7ヶ月半(約230日)です。
7ヶ月半と聞くと、「まだ半年以上ある」「時間は十分だ」と感じられるかもしれません。 しかし、技術士試験という国家最難関の資格を目指す道において、この「まだ時間はある」という油断こそが、最大の「罠」です。
本日は元旦という一年の計を立てる日に、皆様の合格を心から願い、この7ヶ月半を確実に勝利へと導くための「エール」をお送りします。
1. 「7ヶ月半」という時間の残酷な真実
ご存知の通り、技術士試験は単なる知識の暗記テストではありません。自らの業務経験に基づき、国の将来を見据えた課題を抽出し、専門技術者としての見識と論理をもって解決策を提示する、「思考力」と「記述力」の試験です。この能力は、一朝一夕では絶対に身につきません。
なぜ7ヶ月半が「あっという間」になくなるのか。
それは、皆様が「受験専業」ではないからです。 皆様は、日々の多忙な業務を抱える第一線の技術者であり、家庭を守る一員でもあります。
- 1月は新年の挨拶回りや業務の始動で慌ただしく過ぎます。
- 2月、3月は年度末の繁忙期。心身ともに疲弊し、机に向かう気力すら奪われる日もあるでしょう。
- 4月、5月は新年度の体制構築やゴールデンウィーク。少し中だるみが出る頃です。
- 6月は梅雨。そして、あっという間に7月です。
「年度末さえ乗り切れば、本格的に勉強できる」 「5月の連休で一気に巻き返す」
そう思っているうちに、時間は驚くべき速度で溶けていきます。インプットした知識を咀嚼し、論文という形でアウトプットできるようになるまでには、想像以上の「熟成期間」が必要です。
7ヶ月半とは、決して「十分な時間」ではありません。 それは、「ギリギリ間に合わせるために残された、最低限の時間」なのです。

2. 合格への両輪:「緻密な計画」と「炎の維持」
この残された時間を制するために不可欠なものが、「計画」と「モチベーション」です。この二つは、合格という目的地にたどり着くための「両輪」であり、どちらが欠けても道から外れてしまいます。
第一の車輪:勝利への羅針盤「緻密な計画」
元旦の今日、まず立てるべきは「7ヶ月半のロードマップ」です。 「海の日」から逆算し、今何をすべきかを明確にしましょう。
【第1ステージ:1月~3月末(基礎・インプット期)】
- テーマ:『知る』から『理解する』へ
- 目的: 自分の専門分野における重要キーワード(例:第六次環境基本計画、BIM/CIM、DX、GX、流域治水、インフラ老朽化対策、カーボンニュートラル等)を、ただ暗記するのではなく、「なぜそれが必要なのか」「社会背景は何か」「技術的課題は何か」を徹底的に深掘りします。
- 行動: 国土交通白書や専門分野の最新指針を読み込み、自分なりの「キーワード集(説明文と課題・対策の骨子)」を作成します。過去問(直近5年分)を分析し、出題傾向と「求められる解答の型」を体に叩き込みます。
【第2ステージ:4月~5月末(実践・アウトプット期)】
- テーマ:『理解する』から『書ける』へ
- 目的: 知識を「合格論文」の形にアウトプットする訓練を積みます。技術士試験は「書けなければ、知らないのと同じ」です。
- 行動: 実際に時間を計り、手書きで論文を書き上げます。最初は600字×3枚(または4枚)を時間内に書き上げるだけでも苦痛でしょう。
- 重要: この時期に必ず「第三者の添削」を受けてください。独りよがりな論文(=不合格論文)の軌道修正は、早ければ早いほど良いのです。自分の思考の癖、論理の飛躍を客観的に指摘してもらいましょう。
【第3ステージ:6月~「海の日」まで(直前・調整期)】
- テーマ:『書ける』から『勝てる』へ
- 目的: 知識の穴を埋め、時間配分を最適化し、本番で100%の力を出すための最終調整を行います。
- 行動: 模擬試験(本番と同一時間)を最低2回は実施します。必須科目Ⅰ、選択科目Ⅱ、Ⅲの通しリハーサルです。ここで見つかった弱点(時間不足、忘れていたキーワード、記述のブレ)を徹底的に潰します。
- 調整: 新たな知識を追うことよりも、「これまで蓄積した知識を、いかに正確に、論理的に、題意を外さず記述するか」に集中します。体調管理も最重要のタスクです。
この3ステージの計画を、さらに「今週の計画」「今日の計画」にまで落とし込んでください。 「今夜は疲れたから明日やろう」の積み重ねが、7ヶ月半を無に帰します。 「今夜は1時間だけ、あのキーワードの背景を調べる」という確実な一歩の積み重ねが、「海の日」の勝利に直結します。
第二の車輪:完走への原動力「モチベーションの維持」
計画は立てても、実行できなければ意味がありません。7ヶ月半という長丁場で、孤独な炎を燃やし続ける技術。これこそが、合否を分ける最大の要因かもしれません。
①「技術士になる理由」を明文化する 「なぜ、あなたは技術士になりたいのですか?」 この問いに対する答えを、手帳やスマートフォンのメモ、机の前に貼る紙に「自分の言葉で」書き出してください。 「会社の評価のため」「より大きな仕事で社会に貢献するため」「家族に誇れる自分になるため」…どんな理由でも構いません。 心が折れそうになった時、その原点(=初心)が、あなたを再び机に向かわせる燃料となります。
②「小さな成功」を積み重ね、自分で祝う 人間は、達成感なしに努力を続けることはできません。 「論文を1本書き上げた」「キーワードを5つ完璧に説明できるようにした」「今週は計画通り10時間勉強できた」 その一つ一つを「小さな成功」として認識し、自分で自分を褒めてください。週末に少し良いコーヒーを飲む、好きな音楽を聴く。どんな小さなご褒美でも構いません。この小さな達成感の連鎖が、自己効力感を高めます。
③「休む日」を計画に入れる 7ヶ月半、1日も休まず全力疾走は不可能です。必ず燃え尽きます。 重要なのは、「計画的に休む」ことです。「なんとなく休んでしまった」という罪悪感はモチベーションを低下させますが、「今週はここまで頑張ったから、日曜の午後は休む」と計画しておけば、それは「戦略的休養」になります。 休む時はしっかり休み、リフレッシュして、また月曜から走る。このメリハリが、長丁場を乗り切るコツです。
④「仲間」の存在を意識する あなたは決して一人ではありません。 この元旦にも、日本全国で何千人もの受験生が、あなたと同じ決意でペンを握っています。 勉強会やSNS、セミナーなどで同じ志を持つ仲間と繋がることも有効です。他人の頑張りが刺激になり、「自分も負けていられない」という健全な競争心が生まれます。

3. 決戦の日に笑うために
元旦の今日、あなたが立てたその計画が、あなたの羅針盤です。 元旦の今日、あなたが灯したその決意が、あなたの原動力です。
7ヶ月半後、「海の日」。 試験開始の合図とともに問題用紙をめくった時、あなたはこう思うはずです。
「この日のために、すべてを準備してきた。書けない問題は何一つない」と。
この7ヶ月半の努力は、あなたのペン先に宿ります。それは誰よりも重く、鋭く、そして論理的な「合格論文」となって解答用紙を埋め尽くすでしょう。
令和8年の夏、あなたが最高の笑顔で「海の日」を迎え、技術士としての新たな一歩を踏み出されることを、心より祈念しております。
さあ、始めましょう。今日、この一歩からです。 頑張ってください!








