私達はこうやって合格しました
講師の名前はアイウエオ順で並んでいます。
「私の勉強方法」機械・金属部門 赤星講師
私がターニングポイントと考えたことをお伝えします。当然白書で国の考えや専門書でトレンドを知って解決策も作成していますので、ご了解ください。
まず、一次試験からインプット:アウトプットを3:7の比率で考えて学習をしていました。
計画はざっくり「1か月後にはここまで」ぐらいで管理していました。もともと計画を頑張りすぎて、挫折する感がありそのように意識していました。
一次試験は不得意な専門科目を中心に対策してうまくいきました。しかし、二次試験は2回の不合格を経験しています。
一次試験の延長上の学習では、「だめ」ということに気づいたのが2回目の筆記試験が不合格を確定した1か月後。技術士の方、その他お世話になった方に相談した時、「技術士になって何がしたいの」という質問で、「アウトプット=論文の量産」という「アウトプット重視の意味を勘違いしていた」ことに気が付きました。
3年目は、「技術士の理解」をどのようにすればできるか考えた結果、答えは「骨子作成」でした。問題文を読み、試験官の立場、つまり技術士とは何か?を踏まえて回答の流れを作ったのです。50個以上は筆記試験までに作りました。
よく、「題意をとらえていない」と指摘を受けていたので、原因・要因を分析した結果「骨子」作成しかないと思いました。
もちろん、骨子を作って、題意に合わすためのキーワードは調べました。結果、「使えるキーワード」を厳選できたと思います。
まずは、自分の弱点は何か?私の場合、技術士の理解が不足していたこと、次に必要な知識を間違っていたことにたどり着いたのです。
皆さんも遠回りしないよう弱点を客観的に見てみましょう。
私の学習法:電気電子・情報工学部門 霜山講師
1.キーワードの理解
キーワード、例えば、Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ問題で登場する専門用語について、
「定義(原理)」「特徴(メリデメ、従来技術との違い、留意点)」「利用シーン」を600文字答案用紙に纏めます。
1項目200文字程度です。キーワードは過去問からの抽出です。
30キーワードくらい集めれば、1つ1つ調べていくうちに疑問や他のキーワード(技術)が出現するので50キーワードにはなります。
50キーワード集めれば80くらいになります。100個になれば完成です。
キーワード学習や技術ノート学習と呼ばれています。
Ⅱ-1の回答にもなりますし、Ⅰ、Ⅲ問題の解決策にもなります。
2.解決策集め
日経XX、ITロードアップ、ITナビゲータなど、なじみのある雑誌のうちどれかをバイブルに決めて読み込む。
Lockonの情報、情報通信白書、エネルギー白書、xx白書、を読む。
これら最近のトレンドを知って解決策として自分の引き出しにしまう。
3.答案作成演習
出題テーマから全体の論文の構成を考えて文章にしていく。次第に時間を測定していく。
「構想を練る」という作業と「答案を時間内に書く」という作業を同時にこなす訓練です。
パソコン上での答案作成から始め、試験前1か月はひたすら手書きで書きます。
上記1、2は1人でできますが、ここは添削を受けたほうが良いです。第三者の目が必要です。
4.スケジューリング
上記1から3のスケジュールを作成する。1年でのスケジュールにするか、半年でのスケジュールにするか人に依ります。
以上
私の学習方法 Lock-On:二次試験講座 講師 土屋
私は平成20年の農業部門2次試験を受験し合格することが出来ました。
当時はネット環境も、Lock-onのようなITツールを活用した添削サービスもなく、受験対策の多くは独習で、時々受験講座のスクーリングに参加したり、郵送による添削講座を受講していました。
もちろんそれだけでは不十分なため、白書(当時は農業白書)の主要項目と2次試験必須科目の重複箇所を中心に学習を進めました。
これは、必須科目試験の視点で白書を再構築する作業になります。
そのことで、白書をベースとした専門知識に裏付けられた応用能力(課題や問題点、対策の立案)の向上の練習になったとは思います。
以下に当時の学習資料をご紹介いたします。
〇Ⅱ-1 農業部門(必須科目)出題内容
左端の項目(食料自給率向上など)が白書の主要テーマで、そのテーマごとに過去問の出題内容を抽出し、代表的な出題を黄色でマークしたもの。
これについての学習を進めた。
〇骨子法による学習
代表的な出題ごとに、パターン化されていた設問に対応した解答骨子を見出し+箇条書きで作成した。骨子と言っても解答に近いもので、解答用紙への配分の目安も付した。この骨子を10セット程度作成し、さらに解答論文に落とし込む練習をした。ほぼ暗記するまで繰り返し練習をした。毎朝4時起きし、近所のファミレスに陣取って7時過ぎまでの3時間程度の学習を休まず続けた。何とか合格はしたものの、暗記などに精神的な負荷がかかり、技術的体験論文の提出後(当時は筆記試験合格者に課せられた)に鬱状態になった。よってあまりお勧めするものではない。
現在、お勧めしたい学習法は以下の通り。
農業部門の学習法
(1)キーワード作成
Ⅱ-1、Ⅱ-2対策として、過去問と最近の技術動向(専門誌、業界紙などから拾う)からキーワードをピックアップし、要旨を300文字程度で書くこと。
なるべく広範囲に、自分の専門分野外での出題もカバーするのが望ましいが、当然限度がある。
(2)白書をベースにトピックを分析
白書の主要項目(例:食料自給率の目標と動向、スマート農業の展開など)20程度について、概要、課題、対策、リスクなどを一覧表に整理すること。
Ⅰ、Ⅲの解答作成のベースとなる。
(3)解答骨子の作成
直近3年程度の過去問(Ⅰ、Ⅲ)について、解答骨子(大見出し、中見出し、小見出し、および内容の箇条書き)を作成すること。論理展開に齟齬が無いかなど骨子段階で確認してから執筆に入る練習となる。
(4)自己の業務の洗出しと整理
業務経歴、業務内容詳細に記載できるもの、そうではなくとも専門分野の技術を掘り下げて行っているような業務について、(2)と同様に概要、課題、対策、リスクなどを一覧表に整理すること。Ⅰ、Ⅱ-2、Ⅲの解答に自分の経験を織りこむための準備となる。
これらを実行しながら、本講座での添削を受講することをお勧めいたします。
私の併願勉強方法 総合技術監理部門・経営工学部門・化学部門 日比講師
技術士第一次試験(平成25年:新制度)合格、翌26年に経営工学部門生産マネジメントを受験するも、不合格(必須A・選択ⅡA・選択ⅢB)で辛酸をなめました。27年は業務都合で受験できず、28年に総合技術監理部門と経営工学生産マネジメントで併願受験、29年に同時登録に至りました。
対策準備
試験対策に入る前の1月に日本技術士会のホームページの技術士試験の制度主旨を読み込み、受験生に何を要求しているのか、技術士法第二条定義を確実に把握、解答論点ズレに留意して主旨を整理しました。
勉強時間の設定
会社経営者の私にとって、勉強時間確保は至難の業でした。
誰にも邪魔されない早朝5時から8時までを対策タイムに設定、2月から6月の5か月間、海外出張期間以外は、厳格に総監と経営工学部門の過去問を中心に対策しました。
併願対策の難しさ 総監と20部門の観点の違いを知る
経営者経験と総監思考は類似しています。総監5管理視点を前提に実際の経営業務のケーススタディ化、総監択一問題を5年間分、管理視点別に解答プロセスを整理し、総監記述の練習を数回しました。
経営工学部門は、課題設定プロセスを徹底的に見直し、選択Ⅲを軸に手書きで解答練習を重ねました。
記述練習の都度、総監と20部門の観点の違いを認識し、解答しました。
総監、経営工学ともキーワードは、過去問から抽出、整理して、業務に活用できるよう工夫しました。
「私の勉強法」応用理学・環境部門 広瀬優佳講師
私の経験から、勉強法には2段階あると思います。
まず知識量を増やす(インプット)こと、そして知識量が豊富になったら論文作成(アウトプット)で分かりやすい論文構成を身につけること、です。
私が応用理学部門を受験していたころ、当時は経験も知識も足りない状態でした。そこで、知識を習得するためにインプットとして「キーワード学習」を行いました。
キーワードは過去問題の中で自分が説明できない/記憶があいまいな用語をピックアップしました。そして、「原理原則・背景、問題点、解決策、今後の展望」の4項目について、1キーワードあたりA4で1枚以内になるように調べてまとめました。
インターネットで検索して情報を集めたので、費用はかかりませんでした。
しかし、1日で2キーワード程度しかまとめられず、時間はかかりました。それでも、調べたキーワードの数は合計180個以上になっていました。
作成したキーワード集は、ときどき読み返す、音声読み上げソフトで聞いて覚える、マインドマップを作成するなどにより、記憶の定着を図りました。
知識量が増えてくると、アウトプットとしての論文作成が楽になってきました。設問に対して何を書けばいいのかが、分かるようになってきたからです。
論文作成は主に週末に行ない、合格した年は年間10本程度の論文を作成していたと思います。
知識量や論文の書き方の技量は個人差が大きいですので、ご自身の技量を見極めて、ご自身に合った勉強法を見つけてください。