学習計画の立てることが技術士合格につながる、Lock-Onでは合格までを徹底サポート。

~~エンジニアの資格は、科学工学的に正しい方法で取得しよう~~

技術士二次試験で合格を勝ち取るには、学習計画を立てる必要があります。全く計画を立てずに、行き当たりばったりでは、元々ポテンシャルが高い人でもなかなか合格できないものです。下手をすると、受験さえできずに終わってしまうこともあります。皆さんだって、日頃、エンジニアとして業務を行う場合、計画を立てますよね? 技術士二次試験も全く同じです

技術士合格という目標を達成するために

もし、あなたが以下のような疑問を持っているのであれば、この記事はきっとあなたの役に立つと思います。
また、最終的に技術士合格という目標を達成できるはずです。

  • 疑問1:計画を立てるのが苦手で、どう計画を立てるのか分からない
  • 疑問2:技術士試験で要求される能力を、計画的に育成する方法が分からない
  • 疑問3:技術士試験に向けた計画は立てているが、それが正しいかどうか分からない
  • 疑問4:計画を立てているが、いつも計画倒れで終わってしまう

以下の説明で、上記全ての疑問に答えることができると思います。自分に関係の無いと思う箇所は、飛ばして、自分自身に関係があると思う箇所だけでも読んで見てください。最後までお読みいただければ、あなたが目指す目標に向かって、力強く前進できるはずです。技術士になりたいと言う目標を実現させてください。さっそく解説を始めましょう。

最初に、以下の5つの考え方を理解して下さい。学習計画を立てるにはとても重要なことです。また、これが理解できれば、計画を立てるのがとても簡単に思えるはずです。

重要な5つの考え方は以下の通りです。

  • 最も重要なことは「計画倒れしない」こと
  • 「勉強」ではなく、やるべき事を順番に実施すると考える
  • 「勉強計画とは、やることリストとその順番決め(タスク管理)」である
  • 極端な努力を求める計画は作らない
  • 休みも計画に入れること

以下、それぞれ解説します。

1.1 最も重要なことは「計画倒れしない」こと

技術士になるための、学習計画を立てる際に、最も重要なのは何だと思いますか。答えは「計画倒れしないこと」です。技術士試験の学習計画で失敗する人は、勘違いしています。ほとんどの人が、「学習計画=自分が一生懸命がんばって実現したい理想の計画」になっているのです。この違いがわかるでしょうか。

  • × がんばって実現したい理想の計画 → 持続できない→ 失敗する
  • ◎ 無理なく実行できる確実な計画 → 持続できる→ 成功する

がんばって実現したい理想の計画は、持続不可能ですから勝率が下がります。ゴールに到達できないのです。

学習計画を立てるときは、欲張って理想を描きたくなりますが、ここで欲張らないことです。欲張りは失敗します。繰り返しますが、最も重要なのは、計画倒れしない持続可能な計画を立てることです。
特に、技術士を目指す人は、真面目で優秀なエンジニアがほとんどです。(私は違いますが)

子供の頃から努力して勉強して、一流大学に入り、一流企業に就職している方が多いのです。ですから、若い頃の成功体験が忘れられません。それで、ついつい、多大な努力を必要とする、理想的な学習計画を立ててしまいます。また、学生時代とは異なり、ほとんどの受験者さんには、仕事があり、家庭もあります。海外に赴任している方も多くいます。体力だって落ちているはずです。「がんばって実現したい理想の学習計画」は実現できないと理解して下さい。
これが理解できれば、「計画倒れしない」ことが実現できるでしょう。

1.2 「勉強」ではなく、やるべき事を順番に実施すると考える

「勉強」と聞くだけで、高校受験や大学受験を思い出しませんか? 技術士を目指す多くの方は、学生時代の成績が優秀だったと思います。しかし、それでも幼少期から「勉強しなさい」といわれて、勉強という言葉を聞くだけで嫌な気持ちになると思います。「勉強=やらなければならない、難しい、不快なこと」と、無意識に刷り込まれている方も多いと思います。

勉強という言葉に、惑わされないでください。勉強という言葉を使うこと自体、禁止しましょう。私は、受講者さんに「勉強していますか?」という問いは発しないことにしています。モチベーションを下げる、「勉強」という言葉自体、使う必要がないのです。「勉強」という言葉から感じる不快感のせいで、計画を立てるスタート地点にさえ立てない人もいるのです。「やるべき事を順番に実施する」それが、正しい学習計画の認識です。
個人的には「合格計画」とか「技術士試験突破計画」(少し長いですが)が良いと思います。

1.3 「学習計画とは、やることリストとその順番決め」

「学習計画とは、やることリストとその順番決め」と述べましたが、ようするにタスク管理です。

タスク管理とは?

タスク管理とは、仕事を効率的に進めるにあたって業務を細かい「やること」単位で分解し、優先度や量を決定して進捗を管理することです。タスク管理と同じように利用される言葉として「ToDo管理」があります。簡単に言うと、期日設定のあるものがタスク管理、ないものがToDo管理です。
タスク管理で大切なのはオペレーション(現場での運用)に即していて、無理なく確実に実行できる計画が立てられていることです。

このブログ記事の中では、タスク管理のメソッドに沿って、具体的な勉強計画の立て方を解説していきます。皆さんもぜひ普段から「タスク管理術」のテクニック収集にアンテナを張ってみてください。
例えば「最大限の効率」で仕事をこなせるタスク管理の手法に「GTD」があります。ご存じでしょうか? 
「GTD」は、とてもお勧めなタスク管理の手法なので、ここで簡単にご説明します。GTDとは、「物事をやり遂げる」という意味の“Getting Things Done”の頭文字が語源となっており、生産性向上コンサルタントのデビッド・アレン氏が開発したタスク整理術です。デビット氏の書籍『ストレスフリーの仕事術』によれば、GTDは頭の中にざっくり詰め込まれている「気になること」を外に出し、整理することで「やるべきこと」に集中できる手法です。
とてもよい方法なので、本の紹介も含めて、別の機会に1本の記事にする予定です。そのとき、また御紹介します。

1.4 極端な努力を求める計画は作らない

もうひとつ、学習計画の立案で失敗する人が勘違いしていることがあります。「努力して、がんばって、つらい思いを我慢することが、勉強」と思っているのです。しかし、成功していく人たちの思考回路はこうです。「できるだけつらい思いをせずに、労力をかけずに、巧く結果を出すためにはどうすればいいか?」です。技術士を目指す人はこれがなかなかできません。

「努力して、がんばって、つらい思いを我慢すること」は倫理的だとさえ、考えている人がいます。これは大きな間違いです。
良い意味で「サボリ」ができるようになってください。学習計画は「立てなければいけないから立てる」のではなく、「計画を立てた方が楽に技術士になれるから立てる」のです。
あなたを助けてくれるツールこそ学習計画であり、学習計画はあなたに努力を強いるものではありません。
逆にいえば、あなた自身が楽になるように学習計画を立てるべきなのです。人より、楽して技術士になったからと言って、技術者倫理に反するなどということはありません。自分が楽にならないで、「公衆が楽しく安全に生活できように」と考えるはずがないではありませんか?

1.5 休みも計画に入れること

休みも重要

最後に、「計画を立てても休んでしまって進まない」という人に、大切なことをお伝えします。
休み癖は直さなくて良いですから、休みも織り込んで計画してください。
もちろん、休みすぎるのは拙いでしょう。しかし、同僚から「ちょっと、一杯」と誘われたら、全て断るわけにも行きません。(毎回付き合う訳にも行きませんが)
ではどうすべきか? 「休みを織り込んだ計画を立てる」という計画にしてください。
“休みを織り込む”とは、「休みの日も、すでに予定に入っています」ということです。ただ、真面目なエンジニアの皆さんは、「そんなことで技術士になれるのか?」と考えてしまうでしょう。確かに技術士二次試験は、合格率10%を切ることもある試験です。高難易度の試験であることは間違いありません。とは言え、逆に考えれば10~12人に一人は、合格できる試験です。オリンピックで金メダルを獲得する訳ではありません。
世界の工業立国、日本で難しい仕事をこなす皆さんなら、普通の努力で合格できるのです。ですから、休みも計画に入れてください。
さて、学習計画を立てる前にインプットしておきたい「考え方」の話は以上です。次は具体的な計画の立て方に進んでいきましょう。

2.  技術士試験に合格できる学習計画の立て方 6ステップ

ここからは学習計画の立て方を6ステップのプロセスに分けて解説していきます。

  • ステップ1:進めたい勉強の全体量を定量的に定める
  • ステップ2:かかる時間を計測する
  • ステップ3:シングルタスクでスケジュールに配分する
  • ステップ4:スタート時間と終了時間を設定する
  • ステップ5:1週間で実行した結果を採点する
  • ステップ6:改善した計画を立てて繰り返す

2.1 【重要な前提】最初は「1週間分」だけ「手書き」で作る

ステップ1~6に取り組んでいただく前にお伝えしたい前提があります。
初めてこのステップに取り組む方は「1週間分だけ・1枚の紙に手書きで作る」ことを行って下さい。
これは2回、つまり2週間やれば十分です。まあ、準備運動みたいなものです。
1週間分だけ作る理由最初は1週間分だけ作る理由は「立てた計画の良し悪しの答え合わせを、早くするため」です。
しつこいですが、学習計画を立てることになれている人は、これを実施する必要はありません。最初からしっかり計画を立ててください。慣れていない人は、予行演習と思って、1週間の学習計画を立てて、それが正しいのか、間違いなのか見極めてください。最初の段階で、小さな失敗経験を積んでしまうのです。その経験が後から活きてきます、それは保証できます。

例えば、最初から1年分の勉強計画を立てた場合、その勉強計画が良かったのか悪かったのか、答えが出るのは1年後です。1年後に答えが出ても、もう時間がなくて改善できない人がほとんどでしょう。
そこでまずは短く1週間分の計画を立てて、1週間後に答え合わせをし、悪かったところは改善して次の計画に役立てます。
これを3日~4日で3~4回繰り返すという方もいます。これは、どちらが正しいとは言えません。
仕事や家庭の事情で考えてください。そもそも、金曜の夜から月曜の朝までしか勉強時間が確保出来ない人もいます。
いずれにしても、最長1週間、短ければ3日程度の学習計画を立て、計画を実施してください。ただ、1日や2日と言うのは、短すぎです、それでは毎日行き当たりばったりの計画と言うことになります。
そこで「1週間分」の計画を立てるのです。慣れてきたら、徐々に計画の期間を伸ばして8週分の計画を立ててください。 学習計画の立て方をマスターした後なら、試験までの半年単位の長い計画も、上手に立てられるようになります。

1枚の紙に手書きで作る理由

最初はA4、またはB5の用紙1枚の紙に手書き計画を書いて下さい。
パソコンを使ってもよいのですが、手書きの方が簡単ですぐにできます。100×50の大きな付箋紙1~3枚で書く人もいます。
いずれにしても、簡単ですぐにできる方法を選んで下さい。
グーグルカレンダーに相当なれている人でも、手書きの方が早いはずです。また、紙に書くのは「可視化するため」でもあります。書き上げた計画表は目に見えるところに貼りだして下さい。これが、スケジュール帳だとそうは行きません。
1枚の紙に書いて可視化すれば、いつでもサッと見られるようになります。結果、計画どおり実行しやすくなります。
ですから、「スマホのアプリやパソコンのエクセルで作りたい」という人もいると思いますが、最初はお勧めしません。手書きに比較すると作業が複雑になるためです。勉強の立て方とは関係のない部分(操作や見栄え、色など)にこだわって、肝心の計画に集中できなくなる危険があります。

見てくれまで、気にするのは勉強計画の立て方をマスターした後で十分です。
慣れてきてから、自分なりのアレンジとしてアプリやエクセルを使うのは構いません。
マスターするまでは「勉強の立て方そのもの」に集中しましょう。そのために、誰でも簡単に扱える「手書き+紙」のツールで行ってください。

さて、お待たせしました。ここからやっとステップ1に入ります。

2-2. ステップ1:進めたい勉強の全体量を定量的に定める

では、実際のステップの解説に入りましょう。
1つめのステップは「進めたい勉強の全体量を定量的に定める」です。
「定量的」とは、数値で表せる状態のことをいいます。
反対語は「定性的(数字で表せない状態)」です。エンジニアの皆さんの皆さんには、自明の言葉ですね。
勉強計画を立てるときには、やること(進めたい勉強の範囲)を、定性的ではなく定量的に特定することがファーストステップになります。
例えば、知識問題である、Ⅱ-1は、20~30問解答した方が良いと思います。当然、色々調べることになると思います。
技術士試験のⅡ-1は、600字詰め1枚の用紙で解答しますが、最初の頃は、1枚解答するのに2~3時間掛かるかもしれません。
試験本番では30分以内に解答できなければなりませんから、最終的にはそれも目指してください。
あくまで、初受験の方に対する目安ですが、概ね以下の問題数をこなしてください。

  • 1枚で解答する「選択Ⅱ-1」=20~30問
  • 2枚で解答する「選択Ⅱ-2」=5~10問
  • 3枚で解答する「選択Ⅲ」=3~10問
  • 3枚で解答する「必須問題」=3~10問

問題数の幅は広いですが、これは技術士試験の場合、個人差が大きいので、自分で考えるしかありません。
Ⅱ-1以外は、何かを調べるということが、それほどありません。ですから、下調べとして、「やること」はそれほどないのです。専門知識対策は、Ⅱ-1をしっかりやれば大丈夫です。

2-3. ステップ2:かかる時間を計測する

2つめのステップは「かかる時間を計測する」です。ステップ2で決めた全体量を終わらせるために、どれだけの時間がかかるか明らかにします。これも、個人差がとても大きいです。
そもそも、ネットで何かを調べる作業でもとても早い人、時間の掛かる人がいます。
会場を借りた講習会では、それが如実に分かります。ですから、「かかる時間を計測する」ことは、自分自身で明確にしなければなりません。

大きな注意点

このステップでは、大切な注意点があります。
かかる時間を感覚で決めないことです。
なぜなら、その感覚は間違っているからです。必ず、物理的に計測してください
感覚は全く、当てにならないと思ってください。
認知心理学者のダニエル・カーネマンによれば、人には「計画錯誤」というバイアスがあります。
計画錯誤とは、かかる時間や労力を、実際よりも楽観的に甘く見積もってしまう傾向のことです。
例えば、宿題や仕事にとりかかるとき、「明日からやれば余裕で終わるだろう」と思っていたのに、実際にやってみたらギリギリだった(冷や汗もの)という経験はありませんか。
これが計画錯誤です。私たちの感覚は間違っているので、間違った感覚をもとに計画を立てると「計画倒れ」します。
そうです、学習計画で最も避けなければならないのが計画倒れでした。信用できるのは「時計」ではどうするか? というと、かかる時間を「時計」という客観的ツールを使って計測します。自分の感覚ではなく、時計を信用しましょう。1週間の勉強量を「Ⅱ-1を1日1問合計7問」と決めたなら、実際に1ページを解いて、かかった時間を計ります。

「100分」かかったのなら、毎日100分の解答時間を確保する必要があるのです。

あり得ない計画を立てようとしていたなら軌道修正が必要です。また、月曜から金曜までは仕事があるのです。残業になることもあるでしょう。
実際に1週間やってみると、計画錯誤のせいで「あり得ない計画を立てようとしていた。1週間では5問が限界」と気付くこともあるはずです。
例えば、「最初の問題は、ある程度知っている範囲の問題だったから2時間で完成したけど、3問目は調べるだけで、3日掛かった」などということもあり得ます。
これを感覚だけで計画した場合、大きな見積もり違いになってしまうのです。なので、時計という物理的な計測器を使ってください。

また、時計のことは、ブログ記事「ポモドーロテクニック」でも紹介しています、ぜひご覧ください。

2-4. ステップ3:シングルタスクでスケジュールに配分する

3つめのステップは「シングルタスクでスケジュールに配分する」です。かかる時間が計測できたら、その時間をスケジュールに配分していきます。

  • 月曜:残業が多いので休み
  • 火曜:20時開始:Ⅱ-1の1問を下調べ(60分)
  • 水曜:21時開始:Ⅱ-1を1問解答(45分)終わったら、Ⅱ-1の別な問題を下調べ(50分)
  • 木曜:20時開始:Ⅱ-1を1問解答(50分)終わったら、Ⅱ-1の別な問題を下調べ(60分)
  • 金曜:残業が多いので休み
  • 土曜:13時開始:Ⅱ-1を4問下調べ(木曜日に別の1問も調べ済み)(240分)
  • 日曜:13時開始:Ⅱ-1を連続で5問解答(300分)

最初はこんなに上手く行かないでしょうが、これでⅡ-1を1週間で7問解答です。
Ⅱ-1は、ある程度書き方が分かっていれば、正解に辿り着くことが可能です。
添削を受けるにしても1問1回で十分です。ロックオン講座の場合は、質問が無制限なので、あとは疑問があれば質問すればよいのです。
このステップのポイントは、1つのスケジュールに1つのタスクを割り当てることです。一点集中で、1つの時間に1つのタスクしかしません。これをシングルタスクといいます。勉強計画では、同時に複数の科目やカテゴリーを進行することが多いでしょう。
しかし、以下のようなスケジュールの立て方はしません。

悪い例(マルチタスク)

  • 木曜日:2時間(Ⅱ-1を1問解答と下調べ)
  • 金曜日:3時間(Ⅱ-1を2問解答)
  • 土曜日:4時間(Ⅱ-1とⅡ-2を解答)

1日に二つの「やるべきこと」があるのは構いません。ただ、上記のように計画すると同時進行になってしまうのです。ようするにマルチタスクです。これでは計画にならないです。
必ず、シングルタスクで計画を立ててください。

2-5. ステップ4:スタート時間と終了時間を設定する

4つめのステップは「スタート時間と終了時間を設定する」です。1週間のスケジュールを割り振ったら、「スタート時間と終了時間」を決めましょう。
「そんなのどれくらい掛かるか分からないだろ」と思いましたか? もちろん、ズレてしまうことはあります。
それは問題ありません。しかし、始める前にどれくらいで終わらせると予定することは重要です。
そもそも、試験会場では、試験時間内に解答を仕上げなければ合格できないのです。「何時に始めて、何時までに終わらせる」と決めてください。

仮に上で紹介したポモドーロテクニックを使う場合、25分を3回とか4回で終わらせると決めてください。
だらだら勉強は何の役にも立ちません。「 ○時間で終わらせる」と計画して、それを実施することが重要なのです。
加えて、開始時間も守るようにして下さい。もちろん、突然の仕事や急用が入ることもあるでしょう。しかし、毎日ではないはずです。「木曜日の20時から開始して22時までに終わらせる」と決めたら、極力それを守るのです。
皆さんはどうか知りませんが、意志の弱い私は放っておけば先延ばししてしまいます。私にとって「勉強に取りかかる」ことは心理的なハードルが高く、短期的には先延ばしした方が、気分は楽なのです。ですから、ついつい、楽な方へ流れて行きます。

カナダ・オタワのカールトン大学で先延ばしの研究をする心理学者ティム・ピチルのチームが学生たちを対象に実験を行ったところ、「彼らはいったんタスクに取りかかれば、たいしたストレスを感じることもなく遂行し、楽しんでいる様子さえ見られた」と言います。
さらに学生たちからは、「なんで先延ばしにしていたのか分からない」「もっと早くにやっておけば、もっとうまくできただろうに」などの声も聞かれたと言います。私、あるいは私たちは、放っておけば先延ばししてしまう生き物です。先延ばしをどう攻略するか? が大切です。その先延ばししない有効な攻略法が「スタート時間と終了時間の設定なのです」です。

最初はスタート時間さえ守れば、終わらなくてもOKです。と言うよりも、初学者の人は、終わらないはずです。
また、下調べがバッチリのつもりで、解答を始めたら、下調べからやり直しということも有るはずです。しかし、成果は必ず出てきます。それに、決めたスタート時間までに勉強を始めたにもかかわらず予定どおりに終わらなかったなら、計画の立て方に問題があったと考えてください。
計画の立て方を改善すれば良いだけです。あなたの能力の問題ではありません。

2-6. ステップ5:1週間実行した結果を採点する

5つめのステップは「1週間実行した結果を採点する」です。
ステップ4まで終わったら、立てた計画に従って1週間、計画に従って「やることリスト」をこなして下さい。
勉強ではなく、「やるべきこと」をやるだけです。結果がうまくいっても、うまくいかなくても、気にする必要はありません。
むしろ失敗は成功のもとになります。1週間の間にうまくいかないことがあれば「成功のもと」だと思ってメモしておきましょう。1週間終えたら、この1週間を採点します。100点満点で、何点でしたか? その理由は? もちろん、自己評価です。
高評価だったポイント、低評価だったポイントを紙に書き出してみましょう。
下は一例です、もっと詳細に書く人もいます。最初は下程度で良いと思います。

  • 点数:65点
  • 高評価ポイント:スタート時間は1週間しっかり守った
  • 低評価ポイント:全体量の2/3しか終わらなかった
  • 低評価ポイントは、その原因を「なぜ?」と探っていきます

エンジニアの皆さんなら慣れているはずです、不具合対策の「なぜなぜ分析」です
計画した全体量が多すぎたのか、かかる時間の見積もりが甘かったのか、計画には織り込んでいなかった想定外の影響があったのか(それは何か)、など原因を特定しましょう。

2-7. ステップ6:改善した計画を立てて繰り返す

6つめのステップは「改善した計画を立てて繰り返す」です。
ステップ5で明らかになった高評価ポイントは継続しながら、低評価ポイントの原因を解決して、次の1週間の計画を立てます。
以後は、ステップ1~5の繰り返しです。

2-8. 慣れてきたら計画を立てる期間を長くしていく

ステップ1~5を2~3回程度繰り返して慣れてきたら、計画を立てる期間を長くしていきましょう。
結局は、千里の道も一歩から。小さいことの積み重ねが、大きな成果に繋がります
これは、普段の業務と同じですよね? 
そうなんです、技術士試験は皆さんの普段の業務の進め方を問う試験なのです

3. まとめ

  • 技術士試験の試験対策を計画するのは、その方が楽に試験を突破できるからです。
  • 計画立案では、計画倒れにならないことが最も重要と考えましょう。
  • 計画には、最初から休みを入れて下さい。
  • 「やるべきこと」のリストを作ったら、それに掛かる時間を見積りましょう。
  • 日々の計画では、開始時間と終了時間を厳守して下さい。
  • 最初は短期の計画を立てて下さい、慣れてきたら8週~12週の計画を立てましょう
  • 初から、計画通りに行くはずはありません、何事も慣れが必要です。

Where there’s a will, there’s a way
意志あるところに道は開ける
合衆国第16代大統領:エイブラハム・リンカーン

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