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論文添削は「客観的な視点」を取り入れる手段
「この論文で合格できるのだろうか?」
書き上げた論文を前にして、こう不安になっていませんか?
自分では完璧に書けたと思う。しかし本当に合格レベルなのか、確信が持てない。
これは当然の感情です。なぜなら、技術士二次試験には「模範解答」が存在しないからです。
「完璧に書けた」と思って提出した論文が、蓋を開けてみればC評価だった、というケースは珍しくありません。
- 「課題」を書いているつもりが、「問題」を書いている
- 論理が飛躍しているのに、気づいていない
- 主語と述語がねじれているのが理解できていない
- そもそも題意を外している
合格できる論文を書く力は、客観的な視点を取り入れることで格段に向上します。
その「客観的な視点」を取り入れるために、論文添削は必要な手段です。
そして重要なのは単に「添削を受けているかどうか」ではありません。「添削をどう活用しているか」です。
今回は技術士試験対策講座の事例や、実際の受験者の体験から、添削の効果と正しい活用法を解説します。
技術士試験に「添削」が特に必要な理由
他の資格試験と決定的に異なる
一般的な資格試験
- 択一式または短答式
- 正解が明確に存在
- 自己採点が可能
- 過去問の答えを覚えれば対応できる
技術士二次試験
- 論文式
- 唯一の正解や模範解答が公表されない
- 評価基準は「コンピテンシー」という抽象的な能力
- 自己採点が極めて困難
- 毎年異なる問題が出題される
また、「出題者の意図を読み取る能力が必要」かつ「論理的な文章構成力が求められる」というのが技術士二次試験です。
自分では「意図を正しく読み取れている」「論理的に書けている」と思っていても、それが本当に合格レベルかどうかは、第三者の視点がなければ判断できません。
論文を評価するのは、自分ではなく添削者(試験官)です。ですから、試験官はこの論文を見てどう感じるか?という視点を取り入れる必要があります。その視点を効果的に養うことが出来るのが、論文添削です。
「コンピテンシー」が評価される
技術士試験の論文で評価される7つのコンピテンシーは以下の通りです。
- 専門的学識 – 技術分野の専門知識
- 問題解決 – 課題を抽出し解決策を提示する能力
- 評価 – 多面的な視点からリスクを評価する能力
- 技術者倫理 – 公益を優先する姿勢
- マネジメント – 人・資源・スケジュールを管理する能力
- リーダーシップ – チームを率いる能力
- コミュニケーション – 論理的に説明する能力
この中で、独学では判断が極めて難しいのが「評価能力」と「コミュニケーション能力」です。 各科目で求められるコンピテンシーを正確に理解し、論文に反映させる必要があるため、専門家の添削が不可欠です。
1. 専門的学識の視点
- ✓ 専門知識を理解し応用できているか
- ✓ 日本固有の法令・制度を理解しているか
- ✓ 幅広く適用される原理を理解しているか
2. 問題解決能力の視点
- ✓ 課題を正しく抽出できているか
- ✓ 提案する解決策は現実的か、実行可能か
- ✓ 技術的に裏付けられた再現性のある成果か
- ✓ 単なる知識の羅列ではなく「行動」に還元できるか
3. 評価能力の視点
- ✓ 提案した解決策の新たなリスクを認識しているか
- ✓ 波及効果を評価できているか
- ✓ 最終的に得られる成果を評価できているか
4. 技術者倫理の視点
- ✓ 技術士法第1条に沿っているか
- ✓ 公益確保を念頭においているか
- ✓ 社会的な認識があるか
5. マネジメント能力の視点
- ✓ 業務遂行手順が明確か
- ✓ 留意すべき点、工夫を要する点を説明できているか
6. リーダーシップの視点
- ✓業務遂行において適切に指導力を発揮しているか
- ✓多様な関係者の利害等を調整し取りまとめることができるか
7. コミュニケーション能力の視点
- ✓ 明確かつ効果的に意思疎通できているか
- ✓ 論文全体が読みやすく理解しやすいか
- ✓ 論理的飛躍がないか
またこれらのコンピテンシーは、科目ごとに組み合わせて評価されます。
- 必須科目Ⅰ: 専門的学識、問題解決、評価、技術者倫理、コミュニケーション(5つ)
- 選択科目Ⅱ: 専門的学識、マネジメント、リーダーシップ、コミュニケーション(4つ)
- 選択科目Ⅲ: 専門的学識、問題解決、評価、コミュニケーション(4つ)
つまり、同じ「専門知識」を書いても、科目によって評価される視点が異なるのです。
たとえば必須科目では「評価能力」として新たなリスクの認識が求められますが、選択科目Ⅱでは「マネジメント能力」として業務遂行手順の明確さが評価されます。
自分では「良い論文が書けた」と思っても、評価項目を満たしていなければB評価・C評価となり不合格になります。これが、独学での合格が極めて難しい最大の理由です。
技術士試験対策の専門サイトの論文添削サービスでは、これらのコンピテンシーを熟知した技術士に、各科目で求められる評価視点に沿って論文を添削してもらえるのが大きな強みです。
「題意を外す」という致命的ミスを起こしやすい
技術士二次試験は、他の資格試験と異なり「問題文の意図を正確に読み取る能力」が合否を分けます。
一般的な資格試験では知識の有無が問われますが、技術士試験では出題者が何を求めているかを理解し、その意図に沿った解答を構成する能力が評価されるのです。
なぜ題意を外しやすいのか?
一般的な資格試験では、問題文が明確で求められる解答の範囲が限定的です。
- 知識があれば正解できる
- 自己採点がある程度可能
一方、技術士二次試験では
- 問題文に複数の設問が階層的に組み込まれている
- 「課題」「問題」「リスク」「波及効果」など、厳密な用語の使い分けが求められる
- 出題者の意図(暗黙の期待値)まで読み取る必要がある
といった特性があります。
複数の技術士対策講座の講師が共通して指摘するのが、「初期段階では題意を外している受験者が非常に多い」という点です。専門知識が豊富で、実務経験も申し分ない技術者でさえ、題意を外してB評価・C評価になるケースが後を絶ちません。
題意を外す典型的なパターン
問題文で聞かれていることに答えていない
- 「3つ挙げよ」→ 2つしか書いていない、または4つ書いてしまう
- 「最も重要な課題を選び」→ 複数の課題を並列で論じている
必須科目(技術部門全般)なのに、選択科目(専門分野)の範囲で答えている
- 建設部門全体の課題を問われているのに、道路分野だけの解答
- 他の分野(河川、都市計画等)に適用できない狭い提案
「課題」を問われているのに「問題」を書いている
- 問題=現在起きている事象 課題=将来に向けて取り組むべきこと
- この区別ができていないと大幅減点
自分が書きたいことを書いてしまっている
- 実務で得意な分野の話に終始
- 問題文の条件設定を無視した独自の提案
題意を外すと、技術的内容がどれだけ優れていてもC評価やB評価となり、不合格になります。
さらに深刻なのは、題意を外していることに本人が気づかないという点です。ある程度書けたかも!と考えていても、採点者の視点では「(そもそも)問われたことに答えていない」と判断されてしまいます。
この「出題者の意図を読み取る」という作業は独学では困難な事が多いです。だからこそ、第三者の視点による論文添削が必要なのです。

論文添削サービスの活用方法
論文添削の効果を最大に発揮するためのポイントを押さえておきましょう。
添削は「推敲力(すいこうりょく)」を育てるものと理解しておく
添削の目的は「講師に論文を正してもらうこと」ではありません。「自分の文章を客観的に読む力を育てること」です。
自分が出した論文を添削してもらい、返ってきた答えを修正する。
この「修正」のプロセスで、受験者は自分の文章をよりよく練り直す推敲力(すいこうりょく)を身につけます。
推敲力とは、
- 論理の飛躍に気づく力
- 事実の誤認や矛盾に気づく力
- 読み手の視点で考える力
でもあります。
試験本番では、当然ながら誰も添削してくれません。自分で推敲して合格答案を書く必要があります。
添削は、その「推敲力」を育てるトレーニングなのです。
「添削を頼りにすぐ直す」ことは避ける
何度も繰り返すようですが、大事なことは「添削を受けること」でも「添削を頼りに直すこと」でもなく、「自分で考えて直す能力を育てること」です。
添削を受けてすぐに書き直して再提出、ということを行うと確かにそのとき書いた論文の内容は良くなります。しかし次の問題では同じミスを繰り返しているケースがみられたり、何より「自分で考えて直す能力」は身につきません。
いったん、「指摘された内容」を深く理解する時間を作り、間を開けて修正することで「添削の内容をかみ砕き、自分の推敲力として取り入れた」論文を書くことができます。他の問題で同じミスをしないようにすることも出来るでしょう。
添削者への質問を活用する
添削は一方通行ではありません。多くのサービスでは、添削コメントに対する質問が可能です。
悪い質問例「この部分、どう書けばいいですか?」
→答えを教えてもらうだけでは、推敲力が育たない
良い質問例「この部分を『〇〇』と修正しようと思いますが、まだ△△の視点が不足しているでしょうか?」
→自分の考えを示した上で、方向性の確認を求める
良い質問例2「『評価能力が不足』と指摘されましたが、『波及効果の記述』と『リスク評価』のどちらが不足しているという意味でしょうか?」
→指摘の意図を深く理解しようとする姿勢
質問する際のポイントは、「自分なりの解釈・修正案」を示すことです。「なぜそう考えたか」の思考プロセスも伝えると良いでしょう。Yes/Noで答えられる質問より、「方向性の確認」を求めると、こうした質問を通じて評価者の視点を深く理解するきっかけに繋がります(技術士Lock-onではチャットワークを利用した質問をいつでも、何度でもご利用できます)。

まとめ
添削は使い方次第で合格への最短ルートになります。このページで何度もお伝えしたとおり、添削を受ければ自動的に合格できるというわけではありません。
添削は「推敲力を育てるツール」です。
正しく使えば、極めて効果的に成長できます。しかし使い方を間違えれば、費用を無駄にします。
添削を頼りに修正するのではなく、添削された内容をしっかりかみ砕いて、「自分の一つの視点」にすることです。
あなたの技術士合格を心から応援しています。








