令和4年度技術士試験必須問題テーマ予想

BCP手順

令和4年度技術士試験必須問題テーマ予想:BCP

令和4年の必須問題では、BCPがキーワードになると思います。
試験問題は、3月~4月に掛けて作成されます。
先日の福島沖地震、首都圏電力逼迫、ロシアによるウクライナ侵略戦争、また、この2年間にわたり、中国の武漢を発祥とする、新型コロナウイルスのパンデミックがありました。

BCP対策を考慮しなければならない大事件や災害が、ひしめいています。
必須問題のテーマになる可能性は高いと思います。
とは言え、政治的なテーマで出題される可能性はありません。
あくまでも、企業が自社の経営を安定させ、顧客に対する信頼を守るために、どうするか? という問題が出題されるのでは? と考えています。

問題の予想はあまりお勧めしないのですが、私の講座(Lock-On:二次試験講座)でも、BCP策定に関する問題は、苦手な人が多いのです。
そのため、BCPに関して、少しご説明したいと思います。

BCPとは何か?

BCPとは、自然災害や事件、テロといった緊急事態が起きた際、事業資産への被害を最小限に食い止め、中核事業を継続させるための事前準備です。
被災に対し、いち早く事業全体を復旧させるために、平常時や緊急時におけるさまざまな対策や方法をまとめた計画を「Business Continuity Plan」と言います。

事業やプロジェクトの責任者である技術者は、こうした緊急事態に遭っても、何とかして自社の製品・サービスを供給して会社を存続させたいと考える必要があります。
しかし、いざ緊急事態という時に、皆さんが普段と同じように判断し、的確な行動ができるでしょうか。
普段から、行っている行動なら、緊急事態でも出来ると思います。
しかし、全く想定していない事態の場合は、それが出来ないと思います。
そのために、事前準備をするわけです。

東日本大震災(平成23年3月11日発生)において、中小企業の多くが、貴重な人材を失ったり、設備を失ったことで、廃業に追い込まれました。
震災があった、2011年では「東日本大震災」関連倒産は年間543件に達しています。
これは、1995年の「阪神・淡路大震災」の同期間(129件)と比べ、4.2倍のハイペースでした。
2013年の時点でも、「東日本大震災」が影響した「震災関連」倒産は年間332件発生しています。

また、被災の影響が少なかった企業においても、復旧が遅れ自社の製品・サービスが供給できず、その結果顧客が離れ、事業を縮小し従業員を解雇しなければならないケースも見受けられました。
このように緊急事態はいつ発生するかわかりません。BCPとは、こうした緊急事態への備えのことをいいます。
ただし、突発的な緊急事態がBCPの想定どおりに発生するはずもありません。
また、BCPを策定していても、普段行っていないことを緊急時に行うことは、実際には難しいものです。
緊急事態において的確な決断を下すためには、あらかじめ対処の方策について検討を重ね、日頃から継続的に訓練しておくことが必要なのです。

BCPの策定手順

BCPの策定は、「①基本方針の立案」から始まり、緊急時における指揮命令系統の準備をしておく「⑤緊急時の体制の整備」までの5つの手順を踏んでいくことになります。
以下のフローを見てください。

BCPの策定手順

基本方針の立案

基本方針とは、あなたの会社の経営方針の延長に位置するもので、BCPを策定するための目的となります。
従業員の人命を守るため、供給責任を果たし顧客からの信用を守るため等、責任者の頭の中には既に基本方針があるはずです。
もちろん、経営陣と二人三脚で進める訳ですが、最初の一歩は計画の立案です。

重要な製品・サービスの検討

企業においては、様々な製品・サービスがあります。
災害等の発生時には、限りある人員や資機材の範囲内で、あなたの会社の事業を継続させ、基本方針を実現しなければなりません。
普段の力は発揮できないと考えるべきです。
そのため、基本方針を立案した次の手順として、限りある人員や資機材の中で優先的に製造や販売する製品・サービスをあらかじめ取り決めておく必要があります。
普段の半分の力になっても、提供しなければならない、製品・サービスを検討して決めるわけです。

被害状況の確認

企業が影響を受ける災害には、地震や新型コロナウイルス等、様々なものがあります。
加えて、こうした災害により、工場が生産停止となったり、店舗が壊れて商品を販売できなくなったりする場合があります。
そのため、まずはここで災害等によりあなたの会社が受ける影響のイメージを持ちましょう。

もちろん、地震とコロナウイルスでは、発生する被害が異なります。
日本の場合、建物の耐震化は進んでいますから、震度5強程度の地震なら、ほとんど被害は出ないようです。
しかし、2022年3月16日の福島沖地震では、震度6強だったこともあり、火力発電所も被災しました。
また、それが原因となって、首都圏では電力逼迫の状態になっているのです。
国際紛争の場合、直接の被害よりもサプライチェーンに重大な影響が出るかもしれません。
事態が発生した場合の被害を予想し、発生した段階でそれを確認してください。

事前対策の実施

日本に長く住んでいる人なら地震等によるあなたの会社への影響についてイメージがついているはずです。
そうした状況の中でも、あなたの会社は重要商品を提供していかなければなりません。
そして、重要商品を提供し続けるためには、製造や販売に携わる従業員や機械設備等、様々な経営資源(人、物、情報、金 等)が必要となります。
そのため、緊急時においても、あなたの会社がこうした必要な経営資源を確保するための対策(事前対策)を平常時から検討・実施しておくことが重要です。

緊急時の体制整備

実際に災害等が発生した際でも、あなたの会社が事業継続のために適切な行動ができるよう、緊急時の対応とその責任者を整理します。
当然、そのための訓練も必要です。
緊急時の対応には、初動対応、復旧のための活動等、様々なものがあります。
最低限そうした全社の対応に関する重要な意思決定及びその指揮命令を行う統括責任者を取り決めておくことが重要となります。
また、統括責任者が不在の場合や被災する場合もありますので、代理責任者も決めておく必要があります。

BCPに関しては、今後も何回かに分けてご説明します。

この記事を書いた人

匠 習作

代表:匠 習作(たくみ しゅうさく・本名は菊地孝仁)
開講10年の歴史/総受講者数650名以上/web授業の先駆者

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