Lock-On:二次試験講座の講師が進める技術士試験の参考書&ITツール
赤星講師のお勧め
技術士試験は、自分の経験から得た専門的学識と専門知識の体系的に整頓し、アウトプットをわかりやすくかつ正しくできるかが重要です。しかし、時間のない多忙な技術者は、まとまった時間を作ることは難しいです。そこで、知識の体系化を簡素にできて試験に役立つITツールと書籍をご紹介します。
(1) ITツール
① Google Keep
Googleが運営する情報整理ツール。スマホの音声入力によるメモ作成や指でメモを手書きすることもできます。なお、クラウド上でPCやスマートフォンでの共有、Googleドライブを活用してメモをGoogleドキュメント化することも可能で隙間時間の利用にお勧めです。
② Coggle
思考整理・体系化しやすいマインドマップが作れるツールの1つです。ほかにもありますが、PCとスマートフォンでデータの同期が可能(iOS/Android)、日本語対応されています。PC版はオンラインサービスのみとなっており、Googleアカウントを連携することで利用できます。マインドマップの他に、ガントチャートなども作成できます。
③ Googleドライブ
15GBの無料ストレージがついています。どのデバイスからもアクセスができ、編集、追加など一元管理しやすくなります。
④ 音読さん
テキストボックスに文章を入力すると好みの音声で読み上げてくれます。読み上げたテキストはその場で聞くだけでなく、音声ファイル(.mp3)としてダウンロードできます。できれば、自分で読み上げて聞くほうが、いいと思います。機械音声で文章の違和感がわかりにくくなっています。
(2) 書籍
① 日本語スタイルガイド(第3版) 一般財団法人テクニカルコミュニケーター協会 (著, 編集)
基本的な文章作成の指針について、テクニカルコミュニケーター協会が出している本です。読みやすく書くポイントや1つの文は1つの事柄を書く、1文は50字以内を推奨する、必要な主語を省略しない、主語と述語を近づけるなど、技術士試験で重要なことが書いています。また、読者への配慮を第一に考えた文章作成について書いています。技術士試験は、試験官へ技術士にふさわしい能力があることを示す試験です。つまり、わかりやすさこそが重要なのです。
② ロジカルライティング 清水久三子(著)
わかりやすさについて書かれた書籍です。3つのステップで考えることは、技術士論文、口頭試験でテーマに応える準備として重要です。
③ ISO31000規格対応 初心者のためのリスクマネジメントQ&A100 小林誠(著) , インターリスク総研 (著)
リスクマネジメントの基礎がわかりやすく書いています。総監だけでなく、必須科目や選択科目Ⅲの問いにある新リスクの考え方などに役立ちます。
④ 白書(概要版)
モノづくり系には、「モノづくり白書」。インフラ系には、「国土交通白書」などあります。環境白書など関連分野に関する白書は必読です。全部は読めないので、「概要版」に目を通し、必要なところだけ本文の詳細を読むといいでしょう。
以上
日比講師のお勧め
技術士試験は、合格に必要な知識を整理、体系化し、効率的なアウトプットで勝敗が決まります。試験までの時間を意識して、効率的に進めてください。
私が技術士試験の勉強で活用した参考書とITツールを示します。
1)参考書類
①ものづくりに役立つ経営工学の事典 公益社団法人日本経営工学会編 朝倉書店
経営工学の重要キーワードが、見開き2ページで解説してあります。モノ・サービスの生産や工事進捗に関連する技術部門の方に有用です。2014年出版で少し古臭いですが、整理と体系化に有用です。
②プログラム&プロジェクトマネジメント標準ガイドブック 三訂七刷2019年
日本プロジェクトマネジメント協会編著 日本能率協会マネジメントセンター
全部門選択問題Ⅱ-2の手順や関連部署とのコミュニケーションの取り方のヒントが満載です。直接これらの解説がされているわけではないですが、業務手順やプロジェクトの進め方の確認に有用です。
➂情報整理からはじめるテクニカル・ライティング Thomas E. Pearsall 都田青子訳
丸善株式会社
理科系の作文技術と同等以上の技術文書作成マニュアルです。2010年の訳文ですが、構造化文書の作成方法(パラグラフライティング)の手引書です。
④構造化テクニカル・ライティングのすすめ 秋元英郎(技術士・工学博士)創造工学研究所
上記同様で技術論文作成には有用です。
⑤接続詞の技術 石黒圭 実務教育出版
短文をつなぐ接続詞について、丁寧に解説してあります。短文接続を極めたい方はぜひ
購読ください。
⑥技術者倫理 日本の事例と考察 公益社団法人日本技術士会登録技術者倫理研究会 丸善出版
技術者倫理の定義や代表的な事案が解説してあります。技術士会登録技術者倫理研究会
が編纂しています。
⑦ISO31000リスクマネジメント解説・適用ガイド 日本規格協会
リスクマネジメントの規格本です。リスク体系の定義・意義を再確認するには有用です。
⑧ものづくり白書・国交白書の概要
白書概要を確認したうえで、詳細項目へ進むことを意識しましょう。全編通読は、時間
がかかりすぎ、集中力が持ちませんので、概要⇒詳細項目を意識して、確認してください。
2)ITツール
ツール類は、可能な限り、現時点で保有しているものを工夫しましょう。逐次揃えたら、お金がいくらあっても足りません。
①マインド・マネジャー(マインドマップ作製PCソフトウエア)
調べた情報は、マインドマップにして、体系化し、都度確認します。
*作成ソフトは、無料試用版含め、他にも多数あります。
②アクロバットDC
情報検索後、関連書類をPDF化、ファイルの編集加工するソフトウエアです。
➂ドロップボックス(クラウドのデータ保存用)
2TBにPDFファイルをランダムに保存して、必要時にドロップボックス内の情報検索をします。
④MacbookProとiMac
勉強の時は、Macで行います。データ編集加工が、非常に簡単で処理速度が速いからです。ビジネス文書や執筆はWindowsPCを使用します。