受験の動機、並びに「マネジメント」「リーダーシップ」

口頭試験

以下は技術士法の冒頭です。

(目的)

第一条 この法律は、技術士等の資格を定め、その業務の適正を図り、もつて科学技術の向上と国民経済の発展に資することを目的とする。

(定義)

第二条 この法律において「技術士」とは、第三十二条第一項の登録を受け、技術士の名称を用いて、科学技術(人文科学のみに係るものを除く。以下同じ。)に関する高等の専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価又はこれらに関する指導の業務(他の法律においてその業務を行うことが制限されている業務を除く。)を行う者をいう。

もし、受験の動機を質問されたら技術士法を念頭に回答するとよいでしょう。

推奨される回答例(3パターン)

ご自身の状況に最も近いものを選び、調整してください。長さは30秒~45秒程度が目安です。

パターン1:王道(社会貢献・技術者倫理)

「これまで培ってきた専門知識と経験を、技術士という国家資格によって客観的に証明したいと考えたからです。また、技術士としての高い技術者倫理を保持し、より責任ある立場で社会や公益に貢献したいという強い思いがあり、受験いたしました。」

パターン2:指導・育成(リーダーシップ・マネジメント)

「業務範囲が広がる中で、プロジェクトの責任者として判断を求められる場面が増えてきました。技術士を取得することで、顧客や関係者からの信頼を高めるとともに、後進の指導・育成においても、確かな規範を示しながら貢献したいと考えたからです。」

パターン3:自己研鑽(継続研鑽・資質向上)

「技術者として現状に満足することなく、継続的な自己研鑽(CPD)が必要であると考えたからです。技術士の体系的な知識と倫理観を身につけることで、より高度で複合的な技術的課題に対し、的確な解決策を提案できる技術者になりたいと考え、受験いたしました。」

 回答を構成する際のポイント

技術士法第1条(目的)や資質能力(コンピテンシー)を意識すると、説得力が増します。以下の3要素を含めると綺麗にまとまります。

きっかけ: 業務上の役割変化や、上司・先輩の影響など。

目的: 技術力の証明、信頼性の向上など。

未来(重要): 技術士になって「誰のために」「何をしたいか」(=公益確保、社会貢献)。

避けるべきNG回答:

「会社に言われたから」(受動的すぎる)

「資格手当が欲しいから」(個人的利益のみ)

「箔をつけたいから」(名誉欲のみ)

次にリーダーシップとマネジメントに関する質問です。

リーダーシップ 

・業務遂行にあたり,明確なデザインと現場感覚を持ち,多様な関係者の利害等を調整し取りまとめることに努めること。

・海外における業務に携わる際は,多様な価値観や能力を有する現地関係者とともに,プロジェクト等の事業や業務の遂行に努めること。

マネジメント 

・業務の計画・実行・検証・是正(変更)等の過程において,品質,コスト,納期及び生産性とリスク対応に関する要求事項,又は成果物(製品,システム,施設,プロジェクト,サービス等)に係る要求事項の特性(必要性,機能性,技術的実現性,安全性,経済性等)を満たすことを目的として,人員・設備・金銭・情報等の資源を配分すること。

「マネジメント」と「リーダーシップ」の違いを聞かれた際の、技術士試験に特化した模範回答を考えてみましょう。

口頭試験用 模範回答回答の骨子

リーダーシップ = 「人(関係者)」に向き合い、「利害調整」すること。

マネジメント = 「資源(リソース)」を配分し、「要求事項(QCD等)」を満たすこと。

これらを踏まえた回答例です。

回答例(所要時間:約45秒)「はい、両者の違いは、『対象』と『役割』の違いにあると認識しております。まずリーダーシップは、『人』や『関係者』を対象としています。多様な関係者の利害を調整し、方向性をまとめていくことで、プロジェクトを円滑に遂行する能力です。

一方、マネジメントは、『資源』を対象としています。業務の要求事項である品質・コスト・納期・リスクなどに対し、人員や予算などの資源を適切に配分し、計画・実行・検証を行う能力です。

つまり、『利害の調整』を行うのがリーダーシップ、『資源の配分』を行うのがマネジメントであると理解しております。」

解説:試験官がチェックしているポイント

提示された定義文に基づき、以下のキーワード対比が明確になっているかが評価されます。

項目リーダーシップ (Leadership)マネジメント (Management)
対象人・組織・関係者

(ステークホルダー)
資源・リソース

(人・モノ・金・情報)
アクション利害を調整する

(取りまとめる)
資源を配分する

(やりくりする)
目的皆が納得して動けるようにする要求事項(Q,C,D,Risk)を満たす
キーワード利害調整、多様な価値観資源配分、PDCA、QCDR

ワンポイントアドバイス

実際の試験では、この定義の説明の後に**「では、あなたの業務経歴の中で、具体的にどのようにリーダーシップを発揮しましたか?」**と続けて質問されるケースが非常に多いです。

  • L: 意見が対立した時、どうやって関係者を説得・調整したか?
  • M: 予算や納期が厳しい時、どうやってリソースを工夫(配分)して乗り切ったか?

この2つを明確に分けてエピソードを用意しておく必要があります。

この記事を書いた人

匠 習作

代表:匠 習作(たくみ しゅうさく・本名は菊地孝仁)
開講10年の歴史/総受講者数650名以上/web授業の先駆者

皆さん、こんにちは!「ロックオン講座」主宰の匠習作です。
HPをご覧いただきありがとうございます。
技術士二次試験は“論理的な思考能力”を鍛えて挑む必要がありますので
無事一次試験を突破された方でも、難しいなと感じる方が多くいらっしゃると思います。

とはいえ、働きながら十分な勉強時間を確保することは非常に大変なことです。
私自身、新卒から23年間医療機器メーカー勤務の会社員をしながら、懸命に勉強をしていた一人です。
この実体験を活かして、技術士試験の合格を目指す方々をサポートし、合格へと導きたい。少しでも役立つヒントや情報を提供したい。そう考えたことが本講座の始まりです。

■当講座のポイント
・質問回数無制限
zoomまたはchatwork(メールも可)にて、いつでも何度でも受け付けます。
・スピード添削
提出後概ね1日以内、ご本人が書いたことを忘れないうちにお返しすることができます。
論述の上達には添削が不可欠です。ここをしっかりこなせるかが合格への肝になります。
・開校当初からのweb授業とオリジナルテキスト
70を超える動画や200を超えるPDF資料、過去問12年分の解説集等々を提供します。
検索しやすいように整理され、自由にダウンロードして参照することができます。
・イチから教える“論作文”
私は自分が受験したとき大手講座で「技術士の解答ではない」と一言いわれ、どう改善すればよいか分からず困った経験があります。最初に書いた解答でした。
当講座では、主語と述語の関係から論理の展開まで、丁寧に細かく解説しますのでご安心ください。また、良いところは良いと褒めるようにしています。

■こんな方におすすめ
・仕事があるので対面授業には通えない、web授業でマイペースに勉強がしたい方
・とはいえ、続けられるかが不安、定期的にオンライン授業も受けたい方
・モチベーションを保つため、資格後のキャリアについても考えていきたい方
・論作文に苦手意識のある方
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Web授業×zoomライブ講座×24h質問対応にて、あなたをサポートします。

2013年に技術士講座を開講し、今年で10年目になりました。
総受講者数は600名を超え、多くの方が技術士試験に合格し、各分野で活躍されています。
各分野のテクノロジー産業のスペシャリストであり、産業分野において最高峰の資格といえる「技術士資格」は皆さんのキャリアにおいて大きな力となり、令和を生きるための強い武器となるでしょう。
長い歴史と実績のある、当社「ロックオン講座」を受講してみませんか?
初回zoom相談はいつでも無料です。是非お声掛けください。

匠習作のYouTubeチャンネルは、以下です。
https://www.youtube.com/channel/UCrbmFXXZvrb1a-nbQm-MOig

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